河内風土記 続おいろけ説法
劇場公開日:1961年8月29日
解説
今東光の「河内風土記」を原作とする「河内風土記 おいろけ説法」の続編。脚色は前作と同じく椎名竜治、監督は「断崖の決闘」の佐伯幸三、撮影は「駅前団地」の遠藤精一。パースペクタ立体音響。
1961年製作/88分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1961年8月29日
ストーリー
河内平野のはずれにある天台院の住職東吾和尚はお逮夜詣りも前任職の大学生信吉に任せて、よろず揉めごとを大岡越前守よろしく、粋に裁くものわかりのいい和尚で、ベストセラー作家だが、ちょっと助平なのが玉にキズ。しかし、村の風習として伝わる「太鼓かつぎ」から「女かつぎ」「シャモの闘鶏」にまで顔を出し、集落の人々にはなかなか人気がある。ところがある日、ストリップと女剣劇専門の山村栄三郎一座が、祇園神社の境内にテント劇場をたてたことから、河内の里においろけ旋風を捲き起こす珍事件が持ち上った。第一の被害者は、和尚の代理として檀家まわりに忙しい信吉で、セックスに悩む座長栄三郎の女房千鳥に誘惑され、大切な童貞をまんまと奪われてしまった。ブラシ工場の豚毛ブローカーで銀世界というシャモ飼主平馬は大のけちんぼだ。銀世界が道楽者の為吉が飼っているシャモの鬼河内との闘鶏に勝ち、意気揚々と帰る途中、お色気たっぷりの悦子に声をかけられ、女房お由の眼を盗んで浮気をするが、弁護士と称する悦子の情夫に慰謝料を請求されて青菜に塩だった。しかも松っあんがこの事件をお由に密告したので大騒ぎ。一方、鬼河内が敗れ、その賭金と借金のため家と地所を平馬に渡す羽目になった為吉は、栄三郎一座の三枚目勘次の金で救われた。勘次と、為吉の女房おつまは幼馴染である。小夜子というストリッパーの情婦がありながら、おつまに食指を動かした勘次は口説き戦法で思いをとげてしまう。河内の八尾の在、山の中腹に住む山伏の丹海は衰えた精力を挽回しようと、滝にうたれたり、マムシの肝からマタタビの塩漬と、夫婦生活円満のため涙ぐましい努力を続けるが、絶倫の女房お民には効き目がない。丹海から相談を受けた和尚は浅吉親分に事情を告げ、大阪にあるその道のお灸を教えた。丹海が大阪へ出かけた留守、滝を浴びにくる郊外電車の駅員三郎の若い肌に燃えたお民は、山小屋で関係を結んだ。その頃、男あさりの達人と異名をとる後家のおたねも、栄三郎一座の立役者富八郎と浮気をはじめ、この大熱演の前には町の若い衆、米吉、万太郎、七公の三人も我慢ができず、かねがね眼をつけていた千鳥の妹千種を「女かつぎ」して林の中で手ごめにしようとするが失敗。かくて、珍事件が続々と起きるが、東吾和尚の裁きですべて円満に解決。村中を騒がせた栄三郎一座は次の村へと向って行った。