ふり袖小姓捕物帖 血文字肌
劇場公開日:1961年7月2日
解説
「ふり袖小姓捕物帖 蛇姫囃子」につづくふり袖小姓捕物帖シリーズの第二作。スタッフはいずれも「ふり袖小姓捕物帖 蛇姫囃子」の顔ぶれ。
1961年製作/63分/日本
配給:東映
劇場公開日:1961年7月2日
ストーリー
美濃屋のお篠が、淡島明神へ子ノ刻参りの帰途、行方不明となり、翌日、魂が抜けたような風態で家に戻ってきた。この話を聞いたふり袖小姓笛弦之介は、早速美濃屋に駈けこんだが、一家の者は皆殺されていた。とくにお篠は胸に「朱」一字の刺青を残して惨殺されていた。さらに、淡島明神の大師堂で、二人の娘が胸に「朱」の刺青をのぞかせて短刀で突き殺される事件が起った。弦之介は長屋の衆とともに、淡島明神にかくれ、子ノ刻参りの模様を見守った。鐘が子ノ刻を告げると、参拝をすませた一人の町娘を、四、五人の人影がさらった。弦之介は一行を追跡したが、一味の姿は消えてしまった。翌日、また娘が殺された。例のごとく胸に「朱」の刺青があり、短刀で一つきにされていた。弦之介は、江戸城内の書庫で、刀剣、種族に関する文献を調べた。秩父天領秘境に住む「朱紋一族」の項が目に入った。さらに弦之介は、長屋の衆の探索で次のような手がかりをつかんだ。第一に殺された娘の生国が、すべて信州、甲州、武州であること。第二に大人数の仕業で変った者の結社であるらしいこと。第三にこの結社が変った所に隠れていること。第四に誰の目にもふれていないこと。これらから賊の手口は分ったが、目的が分らない。実は朱紋一族は、甚兵衛を頭に十七年前神がくしに会った先代首領の娘をさがしに、江戸へ出ていたのだ。しかし、一味の中で秩父三卿を奪おうとする伝蔵らは、子年の娘を殺し、騒ぎを大きくして江戸を去ろうとしていた。しかも、伝蔵は甚兵衛の孫あぐりに邪恋を抱いていた。だが、あぐりは追ってきた弦之介の心に触れ、伝蔵を避けた。伝蔵らは甚兵衛、あぐりらの虐殺を企んだ。一瞬、弦之介が駈けこみ、野望をくじいた。やがて、朱紋一族は秩父一族と名をかえ平和郷へと帰っていった。