豪快千両槍
劇場公開日:1961年6月17日
解説
安田猛人・野上龍雄の脚本を、「夜霧の長脇差」の倉田準二が監督した時代劇で、撮影も「夜霧の長脇差」の古谷伸。
1961年製作/84分/日本
配給:ニュー東映
劇場公開日:1961年6月17日
ストーリー
八代将軍吉宗の時世。江戸の新開地としてにぎわう深川に、神道無辺流槍術の道場を構える不破主水という浪人者があった。泰平の逸楽にふける時流を快とせず、武士の誇りを槍一筋にかけた清廉剛直の士であった。主水に想いを寄せる深川芸者干代春には、恬淡な主水の態度がはがゆくてならなかった。或る日、主水は、深川に悍馬を乗り入れて少年三次をはねとばした若衆姿の武家娘を取り押さえた。この武家娘は、徳川吉宗の次男坊源之助を大将とする旗本の鍔鳴り組隊員、井野又哉の妹鈴江で源之助の恋人であった。鈴江の恥は隊の恥と、鍔鳴り組がおし寄せるが、主水手練の槍先に手もでなかった。或る夜、愛宕山の夜桜見物の帰途、主水は覆面の一群に襲われている鈴江を救った。その翌日、源之助は主水を江戸城に招いた。江戸城の一室に待ちうける主水に、源之助手練の槍がつきかかってきた。これは主水の真価を試さんとする源之助の芝居だった。しかし、源之助は主水に軽くあしらわれた。源之助は主水の真価を知った。主水はそこで大いに面目をほどこし、源之助より名槍日本号を拝領した。源之助も鍔鳴り組も、主水の清廉に非を詫びて和解した。尾州家の江戸家老飯尾右京は、尾州家の義姫と源之助との養子縁組を強く望み、邪魔者の鈴江を亡き者にせんとしていた。愛宕山に鈴江を襲ったのも右京の家来であった。更に右京は、鍔鳴り組の塚原鬼十郎を抱きこみ、短銃で狙撃させるなど手段を選ばない卑怯さであった。将軍の若君と旗本娘という身分の隔りをお互いの深い理解と情熱で結ばれあっている源之助と鈴江の恋に、主水はできるだけの力をかしてやるのだった。鈴江の身辺を右京の手から守る主水のいることを知らず、井野邸に斬りこんだ鬼十郎は主水に捕えられてしまった。鬼十郎を生き証人に尾州家に現われた源之助と主水。いまはこれまでと、二人に斬ってかかる右京一味。主水の一殺他生の名槍号が豪快無双に舞って、右京一派はつぎつぎと倒されていった。