北上川悲歌
劇場公開日:1961年5月31日
解説
松浦健郎の原作を、今村文人が脚色し、「東京の夜は泣いている」の曲谷守平が監督した歌謡メロドラマ。撮影は「凸凹珍道中」の岩橋秀光。
1961年製作/84分/日本
配給:新東宝
劇場公開日:1961年5月31日
ストーリー
作曲家の山口喜八は、楽符入りの鞄を列車の中で盗まれた。沢健次が、チンピラからこの鞄を奪い返した。作曲家と近づきになれたことは、健次にとって願ってもないことだったが、帰京すればナイトクラブ「エトアール」の用心棒であり、穴埋めに歌う歌手だった。三年前、健次は愛する道子と別れて、歌手になりたくて上京したのだが。健次と入れちがいにやってきた歌手を志す修は、テストを受けてはねられたが海田組の子分にタンカを切ったことで傭われた。健次は、梅田の子分須藤に喉を撃たれた。やがて、修は「エトアール」の顔役になった。健次は、修が両親が死んで家出した道子の弟であるのを知った。自分はやくざから足を洗えなくても、素質のある修を泥沼の世界から引上げようと、修を作曲家山口の家に同居させた。いよいよ修のデビューする日が来た。道子と修は再会を喜んだ。一方、風間が健次と修を殺せと子分に命じた。健次は、道子が自分を迎えに行ったまま帰らないと聞くと、風間の事務所へ急行した。風間と対決する健次の背後で子分らが拳銃を抜く。と、修がとびこんできて彼らを倒した。その瞬間、健次と風間のピストルが火を吐いた。健次は道子を抱いた。健次は“北上夜曲”を弾いた。そして、ピアノに崩れた。--まもなく故郷に帰り北上川の畔に健次のためささやかな卒塔婆を立ててやった道子は、二人だけの思い出に涙を流した。