小次郎燕返し

劇場公開日:

解説

五味康祐の「小次郎参上」を、「鎮花祭」の松浦健郎が脚色し「紅蜥蜴」の田坂勝彦が監督した娯楽時代劇。撮影は「元禄女大名」の牧田行正。

1961年製作/80分/日本
配給:大映
劇場公開日:1961年1月9日

ストーリー

佐々木小次郎は、小太刀の名手富田勢源の門に入ろうとしたが、彼は頑として受けつけなかった。安川一郎次は、勢源に破れたのを恥じ自刃した。門弟の梢は、女ながらも勢源を討とうと加賀に現われた。小次郎がこれを制した。目を患った勢源は岐阜に向った。小次郎はこれを追い、遂に弟子入りを認めさせた。領主の斎藤義竜は指南役梅津との試合を所望した。寵臣の田村丸が使者に立った。田村丸の弁舌に、勢源も重い腰を上げた。試合は勢源が勝った。梅津の門弟が大拠して勢源を襲った。迎えてたった小次郎の前に、梢が姿を見せた。梢は許婚田村丸を追ってきたのだという。殺気をはらんだ時、田村丸が駈けつけ、梅津門弟の無法をなじった。--小次郎を遊女屋に誘った田村丸は、馴染みの女かおるを抱きながら、剣に生きることの愚かしさを説いた。小次郎は迷った。田村丸は勢源を倒して剣に生きることの空しさを小次郎に思い知らそうとした。彼は安川一郎次の弟と名のり、勢源に勝負を挑んだ。やがて、田村丸の小柄は勢源のノド仏につきささった。小次郎が「師の仇」と躍りかかった。次の瞬間、田村丸の体は倒れていた。小次郎は梢に、許婚を斬った自分を討ってくれといった。が、梢は討てなかった。冥目する小次郎の眼前を一羽の燕がよぎった。小次郎は、すべての妄念を打ち払い、これを斬った。小次郎はつかれたように「燕返し、これが俺の流儀だ」と呟くのだった。

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