恐怖女子高校 暴行リンチ教室のレビュー・感想・評価
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公開当時の世相を反映させている
まもなくお国入りする大物代議士が経営する女子学園は、悪の巣窟だった。
マブダチをリンチで殺された杉本美樹が、真相を探りに転校生としてやって来る。
もう1人渡瀬恒彦も金の匂いを嗅ぎ付けて、証拠を抑えようとする。
映画に於いて、大量の血が吹き出たりする描写は、我ながら観てても全く平気な位なのに。健康診断等で採血される時に、針がチクりと刺さる感覚が大の苦手だ。そんな時に、普段から採血されている際に、まともに血を見れないこちらとしては、冒頭のリンチ事件での描写に、ちょっと“痛い”感覚を味わった。
前半から風紀委員がやりたい放題。学園が警察と結託して、決して事件は表沙汰にはならない。
全ては学園長が権力者だからとゆう構図は、実に単純明解。かなり無理矢理な展開だが、観客にどんどん怒りを覚えて貰おうとする作劇は、東映お得意の時代劇からヤクザ路線に至るまで、長年に渡り培って来た手法…と言うよりも、娯楽映画として至極当然な流れ。
それでも長々と同じ様な流れが続くので、多少退屈感が出て来たところに、いよ!待ってました!オートバイで学園に乗り付ける池玲子が登場。
授業中に杉本美樹と池玲子が仁義を切るこの時・この場面が、本作品の白眉。
この後、大物代議士で学園長の金子信雄が登場。やっと役者が揃って来た。田中角栄をパロった様な金子信雄の怪演が楽しい。当然の様にエロ爺い役なのも嬉しいところ(笑)
クライマックスは、学園の横暴や、風紀委員のこれまでのやり方に反発した生徒達が蜂起する。
バリケードを築き上げ、警察との対決。
リンチ事件を始めとして、どこか《連合赤軍》《東大安田講堂》《あさま山荘》を想起させ。公開当時の世相を反映させた内容と言える。
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