新色暦大奥秘話 花吹雪おんな事始め
劇場公開日:1973年1月4日
解説
絢爛たる大奥を舞台に父の仇を討つべく、大奥に上がった女が本懐をとげるまでを描く。脚本は「昼下りの情事 裏窓」の西田一夫、監督は「色暦大奥秘話 刺青百人競べ」の近藤幸彦、撮影は「(秘)女郎市場」の高村倉太郎がそれぞれ担当。
1973年製作/70分/日本
配給:日活
劇場公開日:1973年1月4日
ストーリー
町娘お志津が大奥に上るようになったのは、植木職人半助の口利きからであった。お志津は中臈のお登代の部屋にあずけられたが、町方でのびのびと暮らしていたお志津にとって大奥は辛く悲しい事の多い所だった。ある日、お志津の前に忍び装束のお篠が現われ、意外なことを話した。お志津の父が無実にもかかわらず、由井正雪の乱の一員であるとして、将軍家綱の手討ちにあった、というのである。お志津を大奥に上げたのも実は、お志津の父の下で働いていた半助が仇討ちをさせてやりたいとの願いからだった。正月、恒例の羽根会が催された際に、お志津は家綱の目にとまり夜伽ぎをすることになった。父の仇に抱かれ志津は女になった。家綱はお志津に心から惚れこんでしまい、お志津が病気の時は、自から看病するほどであった。それがお志津の心を乱し仇を討つことのつらさに心を悩ませるのだった。いつまでも仇を討たない、とお篠はお志津を執拗に促す。ついにお志津は今夜こそは、と決心して家綱と床をともにする。しかし、家綱を愛し始めているお志津にはできず自害しようとしたが、家綱に責められ全てを白状した。家綱は証拠があってのことだと、正雪の連判状を見せる。その時、お篠が現れ、お志津の父をおとし入れるためにあとから名前を書き入れたものだ、と家綱に知らせた。家綱は全ての元凶はお庭番・水口又三郎の仕業であると知った。その夜、お志津はお篠と半助の手助けで本当の仇、水口を討った。めでたく仇を討ったお志津は、家綱の胸に崩れ込み陶酔に身をふるわせるのだった。