賞金首 一瞬八人斬り
劇場公開日:1972年12月16日
解説
無頼漢、悪女、賞金稼ぎたちの群がる甲州の山深い金山と、麓の宿場町を舞台に、強奪された黄金を幕府の依頼により取り戻すべくそこへ乗り込んだ一人の賞金稼ぎの七つ道具を駆使しての豪快な殺陣を描く、ウェスタン調時代劇。脚本は「緋ぢりめん博徒」の高田宏治、「昭和おんな博徒」の本田達男が共同執筆、監督は「着流し百人」の小沢茂弘、撮影は「ゾロ目の三兄弟」の山岸長樹がそれぞれ担当。
1972年製作/88分/日本
配給:東映
劇場公開日:1972年12月16日
ストーリー
甲州黒戸金山より江戸に送られる途中の黄金二十貫が伊那山岳党に襲われ奪われた。幕府の必死の追求にも黄金の行方は判らず、老中堀田豊後守は、医者でありながら賞金稼ぎの剣客・錣市兵衛に黄金奪還を依頼した。期限は五日間である。市兵衛は望遠付き仕込杖、組立銃、防弾チョッキなど七つ道具を身につけ、黒戸金山の麓、台ヶ原宿へと乗り込んだ。そこへは、一癖も二癖もある賞金稼ぎたちが各地から集って来ていた。市兵衛はまず、代官所に捕えられていた、伊那山岳党の首領・夜叉狼を救出。しかし、既に黄金は夜叉狼の手を放れていた。一方、賞金稼ぎの薊弥十郎は、夜叉狼の妹・飛び天童を捕えており、さらに市兵衛から夜叉狼を奪おうとするが失敗する。しかし、その際、市兵衛の撃った銃が、夜叉狼に命中、夜叉狼は、女郎屋の女王人、鬼念仏のお紋が黄金の行方を知っていると言い残し息を引き取った。市兵衛は早速、妖艶な年増女のお紋を、絶妙のテクニックで陥落させ、黄金の横取の真犯人が金山の人足頭・棺桶辰であることを白状させる。市兵衛は辰に近ずき逃亡を計った人足を斬ったことから辰の信用を得るのに成功する。やがて、黄金の隠し場所が廃鉱だと知った市兵衛とお紋であるが、二人の行動に不信を抱いた辰が仕掛けた落し穴に落ちてしまった。穴に流される毒ガス。お紋は耐えられず息絶えてしまった。しかし、やっとの事で市兵衛は脱出、見事黄金を奪い返す。一方、執念深く黄金を狙う弥十郎と、兄の仇と市兵衛を狙う天童が、辰の子供を誘拐して、市兵衛の奪還した黄金との取引きを迫った。弥十郎は実は、尾州徳川家の穏し目付で紀州家の出である将軍に対抗、折りあらばと、その失脚を狙っていたのである。市兵衛は、子供を助けるべく取引き現場に急ぐが、途中、襲いかかる辰たち一味を一人残らず倒す。そして金を弥十郎に渡し、子供を救った。黄金は弥十郎の手から、張藩十二人の武士に渡された。一騎対十三騎。息ずまる追跡戦が始まった。市兵衛の銃の前に一人、また一人と倒れていった……。やがて、市兵衛と弥十郎が黄金をはさんで刀を抜いた。地を蹴り市兵衛に斬り込む弥十郎をその一瞬、市兵衛の仕込み杖が弥十郎の胴を真一文字になぎはらっていた。