「1番最初の日活ロマンポルノ」団地妻 昼下りの情事 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
1番最初の日活ロマンポルノ
監督は『肉体の門(1977)』の西村昭五郎
脚本は『白い天使の誘惑』の西田一夫
1971年の作品
1番最初の日活ロマンポルノ
同時上映『色暦大奥秘話』
あっちは時代劇で製作費もだいぶかかっただろうがこっちは現代劇で制作費は当時としても低予算の750万
この二本立てで興行収入1億円越えだから日活としては笑いが止まらない
当時は女性の裸とか珍しかった時代だったから多くの男たちが飛びついたに違いない
僕が小学生の頃も地元に成人映画専用の映画館があり地元の新聞にも広告が掲載されタイトルを読むだけで興奮しその言葉の独特な表現になぜかしら度々わらってしまった記憶がある
粗筋
平凡な主婦の笠井律子は旧友の桐村一郎と久々の再会
実家が裕福でプレイボーイの桐村は律子が好きで律子も桐村のことが好きだったが結婚には至らなかった
夫良平との性生活の不満も手伝い律子は桐村とホテルに入り浮気をしてしまう
笠井家の隣人東山陽子は桐村とグルでその現場を撮影し律子を脅迫
律子は陽子に半ば強制的にコールガールをやらさせるハメになる
陽子は団地の主婦たちを売春婦に仕立て上げる斡旋業を営んでいた
律子もまんざらでもなく性生活の不満は解消されコールガールの収入で派手になってきた
流石に怪しむ夫だが向かいの主婦河野和美が機転を効かせ口裏を合わせてくれたおかげでピンチを切り抜けることができた
和美も陽子に斡旋されたコールガールだった
しかしそんな生活も長く続かず
良平の商談相手の性接待のために呼び出されたコールガールが悪いことに律子だった
何もかも知った良平は律子を激しく責め立てた
部下にも妻がコールガールをしていることをバレてしまい絶望する良平は団地を飛び出す
その後に駆けつけた陽子を責める律子は揉み合いになり突き飛ばした拍子で殺してしまう
何もかも失った律子は桐村の元へ
白川和子が裸じゃなくても服を着ているだけでも艶かしい
綾瀬はるかにこれができるかといえば40になった今でもできまい
今の女性俳優ではなかなかこの境地は難しいかもしれない
電動こけしのデザインがまさしくこけしそのもの
宮城県民に謝れ(笑)
律子と桐村が入ったキャバレーでは全裸2人の女性によるレスビアンショー
こんなこと実際にやっていたんだろうか
『嗚呼!!花の応援団』の原作内容が本当ならありえない話じゃない
ラストは桐村が運転する車で律子と逃避行
なぜか2人は全裸で愛し合う
それはそれでまあいいのだが駐車してやればいいじゃん
おそらく会社経営に行き詰まり桐村もやけのやんぱちだったのか
まともな運転どころじゃなく蛇行運転の繰り返し
律子の口淫で「あっ〜」絶頂射精の桐村は運転操作を誤り崖下に転落爆発炎上
律子と桐村はまさしく昇天
最期を迎えた
『親の空』の武尊善行はハーレーを運転しながら女子大生とエッチをしていたが事故は起こさなかった
それに見惚れた大型トラック運転手の方が事故を起こした
しろハメでもこの映画のラストのようなことをやっていた企画があったが危ないことやるもんだと呆れ感心した
もちろんしろハメの方は事故は起こさなかったが違う形で警察沙汰になったかもしれない
エロコメディーとしては笑えたがあまりにも馬鹿馬鹿しく性的興奮はしなかった
配役
夫との性生活に不満を抱える団地妻の笠井律子に白川和子
課長昇格を目指し仕事熱心な律子の夫の笠井良平に浜口竜哉
笠井家の隣室に住んでいる主婦で夫は海外出張中の東山陽子に南条マキ
性具のセールスマンは表向きで実は売春組織の経営者の畑中に前野霜一郎
笠井家の向かいの主婦で河野和美に美田陽子
笠井夫婦の旧友で会社経営者の桐村一郎に関戸純方
律子の最初の客の若社長に高橋明
良平の上司(部長)に島村謙二
良平の部下の田代に氷室政司
良平の商談相手のマイクにマイク・ダニーン
和美の客に小泉郁之助