橋のない川 第二部(1970)のレビュー・感想・評価
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米騒動
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永井藤作がかなりメインとなっていた。酒ばかり飲んで汚い風体。工場の前の路上で靴修理でほそぼそと生活し、たまに身売りした娘お夏に無心するも、彼女は同じ小森出身の肺結核となった若者と心中してしまう。
部落出身の者は働くのもままならない。そんな辛い生活が全編に映し出されるのだ。誠太郎が奉公していた米屋はまだマシだったが、そんな誠太郎も米屋の娘から結婚したいと言われたときから信頼関係も消滅してしまう・・・兵役が決まっていたので、それほどの悲劇には感じられなかったが、部落の男は部落の女と結婚するしか道がないという事実がグサリと突き刺さる。同じように、弟の孝二も小学校時代好きだった杉本まちえと再会。夢の中で川を歩く2人、しかしその川には橋がない・・・夢を打ち明ける孝二の心が痛いほどわかる。
富山から発生した米騒動。大阪にもその時代の波が押し寄せる。この騒動を部落民が中心となっているとデマも流され、小森も暴力団によって荒らされるが、このカタストロフが一層の団結心を煽る。小森での中心人物は寺の息子秀ぼん。原田大二郎が若くかっこ良い。平等会の創立記念集会で水平社設立を訴える終盤のシーンは米屋襲撃のシーンよりも熱くなれる。
一部、二部通して、とにかく北林谷栄がすごくいい!そして伊藤雄之助。彼は大木こだまの原点なのかもしれない・・・
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