「唯一無二の金田一耕助‼️」犬神家の一族(1976) 活動写真愛好家さんの映画レビュー(感想・評価)
唯一無二の金田一耕助‼️
横溝正史の金田一耕助シリーズは、片岡千恵蔵さんが演じたり、なんと高倉健さんも演じてた‼️そんな金田一耕助像をスクリーンにおいて決定付けたのは、やはり市川崑監督と石坂浩二によるシリーズ全5作でしょう‼️特に今作「犬神家の一族」と次作「悪魔の手毬唄」は、シリーズのみならず、世界映画史におけるミステリー・サスペンスの双壁だと思う‼️ホント何度観たか分かりません‼️舞台は信州。大富豪・犬神佐平衛が死に、その莫大な遺産の相続をめぐって、一族の間で猟奇的な連続殺人事件が勃発する。名探偵、金田一耕助が推理をめぐらすが・・・‼️まず石坂浩二さん‼️ボサボサ頭にフケもタップリ(パン粉)まぶし、ヨレヨレの着物と袴で風采の上がらない、原作そのまんまの金田一を好演されてます‼️ホントにハマり役ですね‼️そして市川崑監督‼️日本の地域社会の独特な習慣や、血飛沫が飛ぶおどろおどろしい殺人を、市川崑ならではの絢爛たる映像美と素晴らしき映像センスで撮り上げてます‼️市川崑監督の映像スタイルやテクニック、技巧は日本映画というよりも、外国映画のそれに近い‼️モダンで洗練されてて、洒落っ気があって、そんな市川崑監督の映像スタイルが凝縮されてるのがこの "金田一耕助" シリーズだと思います‼️タイトルバックにかぶさる大野雄二さんの美しい音楽、コマ送りや静止画を活用したり、フラッシュバックを光と影の特殊な映像で描いたり、「水面から突き出た足」のシーンや、不気味な白マスク姿の登場人物・佐清など、映像ビジュアル的にもホント強烈ですよね‼️「よしっ!分かった!」の名セリフで名高い名物キャラ、加藤武さん紛する警部の存在感もホントに大きい‼️そんな市川崑監督の映像美や、キャストの皆さんの好演で紡がれるのがセンチメンタルな愛情物語であり、悲しい親子の情愛であるところが胸に沁みるポイントですね‼️シャーロック・ホームズやエルキュール・ポアロなど、世界の名だたる名探偵に勝るとも劣らない石坂浩二の金田一耕助‼️我々日本人は胸を張って誇っていい、映画史に残る唯一無二のキャラクターです‼️