ロスト・ラブ あぶら地獄

劇場公開日:

解説

一度転落した歌手が、歌手としての目的を達成させるため、一度決意した結婚を捨て、再起するまでを描く、歌謡映画。脚本は「愛に濡れたわたし」の吉原幸夫、監督は「白い娼婦 花芯のたかまり」の小沼藤、撮影は「OL日記 ちぎれた愛欲」の前田米造がそれぞれ担当。

1974年製作/80分/日本
配給:日活
劇場公開日:1974年5月4日

ストーリー

さびれた雪国の温泉町。デビュー当時の面影も見られない冬見くみ子と新人歌手・峰のり子のドサ廻りの興行が続いていた。再起への女の意地だけで歌っているくみ子。そんな時、彼女と似た境遇の順一と知り合った。二人は互いに現在の境遇の傷を癒すかのように結ばれた。やがて、のり子は新人歌手として華々しくデピューし、くみ子に廻ってくる仕事は、のり子の穴うめばかりとなってしまった。そして、マネージャーとのいさかいもあり、くみ子の歌への情熱は次第に薄れていった。想い浮かべるのは順一のことばかり。やがて、再会した二人は同居生活を始めた。それは、平凡ながらもくみ子にとって幸福で、安らぎの世界だった。しかし、順一が蒸発した友人の妻・美代子の生活を助けるために麻雀にこり出し、それを助けるためにクラブで歌っていたくみ子の歌が再び認められた。レコード会社の吹き込みが予想以上の出来ばえで、くみ子は再起する決心をした。順一はくみ子の再起を喜び、くみ子との別れの時が来た事を知った。思い出の雪国への旅行。くみ子にとっては新婚旅行ともいえる楽しい旅行であった。だが、捨てがたいくみ子の歌への情熱を知った順一は、一人寂しく旅館を去った。再デビューするくみ子。スポットライトを浴びてヒット曲「浮世絵の街」「あぶら地獄」を歌うくみ子の胸に、楽しかった順一との生活が去来していた。

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