ヴイナス戦記のレビュー・感想・評価
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なぜ埋もれてしまったのか
80年代の隠れた名作アニメ映画だ。安彦良和監督は、この作品が振るわなかったことでアニメ制作から長いこと離れることになったわけだが、緻密な作画は素晴らしいし、世界観もユニークだし、アクションも迫力がある。久石譲の音楽も良い。美術監督は小林七郎で相変わらず素晴らしい仕事をしている。なんで埋もれてしまったのだろう。
金星が地球の植民地となり、争いが起きているという設定はガンダムを生んだ安彦さんらしい世界観だ。エネルギッシュで無軌道な若者たちが戦争に巻き込まれてゆき、現実に打ちのめされながらも成長していく。制作当時の日本はバブル経済の只中だったと思うが、なんとなくどん詰まりの享楽感が本作からは感じられ、それはもしかして時代の空気だったのかもしれない。安彦さんの漫画が元だが、金星の自転の方向を間違えたことがショックだったそうで、いろいろと複雑な思いを抱えながら漫画もアニメも制作していたようだ。しかし、一見の価値ある作品なので一度見てみてほしい。
安彦さん完璧!!!
公開当時は就職したばかりの社会人1年生で劇場に足を運ぶ余裕すらなかったのですが、その後レンタルビデオかCSで見た記憶があります。その時はさほど印象に残らなかったのですが、令和の世の中になって改めて見てみると鳥肌が立つ程の感動でした!
画面所狭しと安彦さんの設定資料通り作画に寸分の狂いも無く非常に高密度に描き込まれたキャラクター達はCGでリメイクされた宇宙戦艦ヤマト(作画に一切の乱れが無い)を鑑賞する時の安心感に匹敵する。いや上回るのだ!
デジタルを凌駕するアナログ、手書きの迫力!迫真!
インスタントでは無くてあくまでも緻密に良いものを追求する職人気質と魂。
熟練の杜氏が仕込んだ伝統の酒を一口含んだ時の驚きと感激に似た体験。
安彦さんと同時代に生きる事が出来て本当に良かったと思える人生の中の大きな体験、イベントと言えます!
バイクでGO
2023年11月8日
映画 #ヴイナス戦記 (1989年)鑑賞
小惑星と激突し、環境が地球のように変動した金星に人類が移民する。その金星は二大自治州が対立していた
バイクゲームに興じていた少年達が軍に組み込まれバイク部隊で戦う
設定はガンダム風に巻き込まれ少年だけど、2時間では話がまとまらないよな
ウクライナにデジャヴ感
荒涼とした金星植民地での侵略と奪い返し。
状況が少し世界情勢とダブる。展開はまあお約束というか、だけど、最新のククルス・ドアンばりの安彦絵作画は、神村さんたちすごいアニメーターの力、流石だ。小林さんらの美術も凄い。
主演の棒っぷりや当時流行ったであろういくつかの演出を除けばすごく良かった。
作画のクオリティがすごい高い
プライム・ビデオ鑑賞
いつか上がってこないかな?と待っていたんですが、ようやくプライムに登場しました。劇場公開以来なので30年ぶりの鑑賞です。
監督作品だけあって、全体に安彦感が良く出ていています。
それと作画もですが、特にメカニックが良いんですよね。
原作とは雰囲気をガラリと変え、小林誠・横山宏氏の個性的なデザインに。これが実にマッチしており、バイクもですがタコの重さとか最高です。
音楽はアリオンと同じく久石譲。
キャストも厚く、メインどころの水谷優子、納谷悟朗、塩沢兼人さん達の魅力が改めて良くわかります。
ただ主役のかっちゃん(少年隊)だけは最後までその演技に違和感が…。
物語は原作ベースのオリジナルで、劇場版用にコンパクトにまとめたもの。
が、これはこれで青春の熱をよく描いていたと思います。
やはりメインの戦闘シーンが素晴らしく、その挙動が良いんですね。
ラストの対戦も見応えがありました。
鑑賞して思ったのですが、作画のクオリティがすごい高いですね。
30年前の作品とはとても思えませんでした。
機会があればまた見返したい作品でしたね、やっぱり面白かったです。
絵と久石譲の音楽は素晴らしい
ストーリーはどんくさく、キャラクターの演技は下手くそ、演出は普通。
アニメーターとしては天才でも、監督としての安彦良和には才能がない、という事が如実にわかる。
マンガのラストもひどかった。
笹本祐一のシナリオのまんまを映像化すればよかったのに、実に残念な作品。
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