劇場公開日 1932年6月3日

「ピアノの生伴奏と活弁付きモノクロ無声映画」大人の見る絵本 生れてはみたけれど ゆみありさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 ピアノの生伴奏と活弁付きモノクロ無声映画

2025年8月3日
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鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

斬新

昭和七年公開のモノクロ無声映画、活動写真弁士大森くみこさんの活弁とサイレント映画ピアニストの柳下美恵さんのピアノ生演奏つきで観てきました。
大森さんの熱い活弁には感心しました。アドリブで笑いを誘ったり、ちょい役で出ていた若かりし頃の笠智衆の登場場面では何気ない突っ込みを入れたり。活動写真弁士ってなかなか興味深い仕事であり、また重労働です。サイレントピアニストは場面場面でどのような音を流すべきか考えながらアドリブ(なのかな?)でピアノを演奏する仕事でこれも凄いですよね。弁士とピアノ生演奏付きの無声映画、これ病み付きになりそうです。
台詞なしの演技、子供たちも含めて皆生き生きとしていて(活弁とサイレントピアノの助力もあってですね)ホロリとさせられたり、考えさせられたり、さすが評判の名作でした。父を尊敬する息子たちがサラリーマンとしての父の現実、立場(上司にペコペコしたり媚を売ったり)を見せつけられショックを受けるという話なのですが、かつて息子でありそして父親でもあった僕は自分と重ね合わせて考えさせられたり懐かしく思ったり。時代は変われど何も変わらないものってたくさんありますね。
余談ですが、子供たちがたくさん出ていたので、第二次世界大戦で亡くなった方もいるんだろうななんて鑑賞中思ったのですが、観賞後にスマホで確認したら皆さん長生きされていたようで一安心しました。

ゆみあり
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