劇場公開日 1986年3月15日

「壮大なスケール」アリオン R41さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0壮大なスケール

2024年2月11日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

興奮

神々と人間… 古代ギリシア物語をモチーフにした作品アリオンの漫画は、1970年代にはあったと記憶するが、今まで縁がなく見たことはなかった。
しかし、題材も物語もテーマも、今見ても申し分ない素晴らしい作品だった。
セネカが女だったという下りは、彼女が天涯孤独の中で生き抜くために男を装い続け、出会ったアリオンを好きになってしまい、そのアリオンは命をかけてレスフィーナを取り戻しに行くほどの気持ちを感じ、自分自身の気持ちに折り合いをつけようとするシーンは心を打たれた。
そのセネカが戦死しなかったことに安堵した。
たしかに自由は勝ち取るものだが、この物語に描かれていた支配者的神々は、おそらく姿を変えて現代にいるように感じざるを得ない。
アリオンを導いた不思議な爺さんがかれに話した「今度だけは強いられて行くのではない。お前はお前自身として行くのだ」と言う言葉は、私自身に言われているように感じた。

R41