劇場公開日 1986年3月15日

「安彦良和氏を堪能できる作品」アリオン 白波さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5安彦良和氏を堪能できる作品

2021年9月12日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

ガンダムで名を馳せた安彦良和氏原作で、同じく監督作品。
音楽は久石譲で、時期が近いからかナウシカと少し似た雰囲気があります。
何十年ぶり?本当久しぶりに観ましたが音がやたらと良くなってました。
また、今観ても作画が抜群に美しく、安彦氏の才覚を伺えます。
そんな氏から生まれたキャラクターは皆魅力的で、中でもセネカが素晴らしいんですね。
彼女の仕草が実に可愛くて、田中真弓さんの演じた中でも屈指の切なさでしょう。その一言一言は本当胸に来ます。
またアリオン役の中原茂さんの声が本当マッチしているんですね。イノセントな役所にぴったりでした。
あと今観ると演出面というか、どうしてもガンダム味を感じます。
アリオンとアポロンの邂逅シーンなんて完全にアムロとシャアでした。
アポロンは見た目まるっきりクワトロ(シャア)ですし、声に至ってはブライトさんです。
ギリシャ神話をベースにした本作は、皆が運命に翻弄されていく物語。
正直劇場版にあたりやや詰め込んだ感はあるのですが、それでも観ていて魅力に溢れてます。
世界を巻き込んだ戦いの末、エンドロールの後のラストは本当清々しいものでした。
安彦良和氏を堪能できる作品です。

白波