白日夢(1981)のレビュー・感想・評価
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暗闇を貪る極彩
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「Dark Knight」
「バッドマン」を冠しないタイトルはシリーズ至上初というが、
映画を観終わった後ならこの理由も納得できる。
いままで数々のアメコミ作品がスクリーンに登場したが、
そのどれもが「主人公無敵伝説」に彩られたものだった。
敵は必ず負ける。ヒーローが勝つ。あきれるまでの勧善懲悪。
このマンネリ化を打ち破ったのが今作のダークナイトである。
ジョーカーはトランプにおけるバランスブレーカーだ。
如何なるルールにおいてもプレーヤーを特殊な状況に持っていく。
この物語でもそれは例外ではない。
如何なる場面でも狡猾に笑い、人々の心を乱し、
ゴッサムシティを、いや観ている観客までも混沌に陥れる。
正義の象徴だったバッドマンは大切なものを守るために戦った結果、
大切な人たちを失い、味方からは後ろ指をさされる。
それでも自らを貫くため、決して表立つことのない、「黒騎士」となる。
バッドマン、ひいては正義の在り方のさえ崩しかけた
ジョーカーは暗めのスクリーンの中で常に異彩を放っていた。
暗闇に染まりきらない極彩色。
ストーリーもさることながら、キャラクターの重厚さも最高でした。
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