「とても良い映画」ボンゴマン ジミー・クリフ stoneageさんの映画レビュー(感想・評価)
とても良い映画
ジミー・クリフのドキュメンタリー映画。ライブ場面もありますが、いわゆる“コンサート映画”ではなくて、当時(1980年代初頭?)のジャマイカの国情や人々の生活場面なんかも多く挿入されます。全編を通じて1番耳に残った言葉は、「ラスタ」という言葉。レゲエに全く足を突っ込んだことの無い人には、???です。今でも「他人に説明しろ」とか言われても、上手く説明出来ません笑
ジャマイカの黒人の多くも劣悪な環境の中で生活しているのだという事は作品を観れば分かりますが、映画の冒頭には「身なりや見た目だけで私たちを判断しないで欲しい」という、この作品のテーマとも言えるような言葉が述べられます。恐らく彼らの多くが信仰する"アフリカ回帰”を信条とする「ラスタ教」に連なる言葉なんだと思います。
最近また60〜70年代頃のレゲエのCDを買い漁って聴くようになったのですが、昔は「レゲエはレゲエ」というワン・ジャンルな音楽だと思っていたのですが、スカやロックステディ、ルーツロック・レゲエ、ラバーズロック、ダンスホール、DJなどと色んなスタイルというか、変遷を経てきた音楽だったんだなと改めて理解しました。そんな中で自分が昔好きでよく聴いていたのは、ロックステディやルーツロック・レゲエだったんだなと…。ジミー・クリフの音楽もとりわけ70年代初めの頃までは、そうしたスタイルの楽曲で良い曲が多いですね…。
この作品の中でも歌われますが、ジミー・クリフと言えば、「ハーダー・ゼイ・カム」。初めて聴いたバージョンがキース・リチャードがカバーした曲だったから、なんともダルなイメージしかなかったのですが、原曲を初めて聴いた時はびっくりしました…明るすぎて笑
で、レスリー・コングがジミー・クリフをプロデュースした60〜70年代の楽曲を聴くと、どれもこれも陽気で多幸感があるというか、メロディアスな曲ばっかりで、すぐにハマってしまいました。
で、この映画…
ジミー・クリフの素晴らしいアカペラが聞けたり、また彼の人柄にも触れる事の出来る、見逃し厳禁なレゲエ・ムービーでございました。
オススメ!笑