微笑む人生

解説

「シュヴァリエの放浪児」「シュヴァリエの流行児」のモーリス・シュヴァリエが主演する映画で「巴里の暗黒街」「港の掠奪者」のモーリス・トゥールヌールが監督に当たったもの。脚本はルイ・ヴェルヌイユが執筆した。助演者は「商船テナシチー」のマリイ・グローリー、「ル・バル(1931)」のアンドレ・ルフォールを始め、「別れの曲」のマルセル・ヴァレ、「かりそめの幸福」のアルヴェル、「巴里の女」のニコール・ド・ルーヴ及びジャン・ゴーベ、マルセル・シモン、ポール・アンドラル等で、ブルーベル・ガールズが特別出演している。カメラは「最後の戦闘機」のアルマン・ティラールとルイ・ネの担任。

1936年製作/98分/フランス
原題または英題:With a Smile Avec le Sourire

ストーリー

何時も楽しそうに微笑んでいるヴィクトル・ラルノアは、パリの或るレストランで若く美しい娘が一人で食事しているのを見た。無一文の彼は傍らに犬を連れた下男が恋人と夢中で立ち話をしている隙に犬を綱から切り離し首輪に刻まれた飼い主の住所へ迷い犬を見つけたと届けて金を貰い、取って帰すとその金で先刻の娘と食事を共にして仲良くなった。彼女はレヴュウ劇場パラスの踊り子ジゼールだった。ヴィクトルはパラスの門衛アルベールが自動車の扉を開閉するだけで稼いでいるのを見て自分も門衛に成ろうと思って、耳にしたアルベールの妻の浮気を注意してやると、顔色を変えて飛んで行った。彼は間もなく悶々の情を晴らそうと酒に酔った所を支配人ヴィラリに見つかって首になり、まんまとヴィクトルはその後釜に座った。次いで病気になったプログラム売り子の後を継いだ彼は、スターのサイン入りプログラムを五倍の値で売り出した。その才腕を認めたヴィラリは彼を秘書に抜擢した。其の頃パラスの共同経営者パスコオが費い込みで自殺したのでパラスの経営破綻も噂されるようになった。するとヴィクトルはパスコオの自殺はジゼールに失恋したのが原因と発表したので経営の不安も一掃された。お金持ちを振ったジゼールは一躍人気者になって次の興行では主役を演じ、劇場は大入り満員を続け、ヴィクトルも経営者の一人に取立られ歩合を貰う事になった。もう一人の共同経営者タンプリエがヴィラリと衝突して身を引いた時には、ヴィクトルはその地位に座った。そして深く愛し合っているジゼールと彼は結婚生活に這入る事になったが、更に一策を案じたジゼールは、嫉妬深いヴィラリ夫人に夫が事務所で浮気していると匿名の手紙を出しておき、夫人が社へ来たとき故意にヴィラリの膝に乗っていた。激怒した夫人は遂に夫をこの商売から引退させてしまったので、ヴィクトルはパリ第一のパラス劇場支配人となり、レヴュウ界の流行児となった。ジゼールは舞台を退いて平和な家庭の妻となったがこの幸福な生活のすべてはヴィクトルの微笑みから生まれたのである。

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