国際間諜団

解説

「あかつき」「白日鬼」のハンス・アルバース、「青春の海」「ボートの八人娘」のカリン・ハルト、「恋は終りぬ」のアルバート・バッサーマン、「たそがれの維納」のオルガ・チェホーワが主演する映画。「黒騎士」「陽気な王子様」のフィリップ・ロタール・マイリングが脚本を書卸ろし「桃源郷」「黒騎士」のゲルハルト・ランプレヒトが監督に当たったもの。助演者は「陽気な王子様」のヘルマン・シュピールマンス、「ヴェニスの船唄」のヒューバート・フォン・マイヤーリンク、「あかつき」のハンス・アダルベルト・フォン・シュレットー、「サンモリッツの乙女達」のワルター・リラ、ローゼ・シュトラドナー、テオドル・ロース等。撮影はエドゥアルト・ヘーシュの担任である。

1933年製作/ドイツ
原題または英題:Ein gewisser Gran

ストーリー

イタリア軍部が誇る新軍器--飛行中の飛行機の発動機を止める電波送電機の設計図が盗まれた。その発明家の死体はアルプス山中で発見された。イタリアの秘密情報部は直ちに活躍を開始した。そのころ水都ヴェニスにグランと名乗る男が現れた。彼は隣室にいるゴードン大尉という男を監視し、秘密の受話器でゴードンにかかって来たローマからの長距離電話を盗み聞いた。話は「毛皮のブロンド美人」と題した絵画の売買交渉らしく、ゴードンはローマへ出掛けると云うが、先方の電話の女は顔を知らないから来ても無駄だと云い、値上げを要求している模様だった。その夜、グランはゴードン大尉と変名してローマへ向かった。本物のゴードンを、偶然知り合ったヴィオラという美しい処女と計ってグランはヨットの旅に出したのである。ローマで中年の美人のメルヴィン夫人と、有名な画商チェルニコフと会った。取引の絵画は疑いもなく、例の発明図面である。所がメルヴィン夫人は既に持っていない。チェルニコフが何処か保管しているのだ。グランがチェルニコフを訪問しているとき、彼の別荘から電話がかかって来た。電話でチェルニコフは絵の仕上げを急がせた。グランが問うと、ある画家に妻の肖像画を描かせているが、出来上がらないで困る、という。その絵は明日中に外国の展覧会に出品されるのだとの事である。グランはその絵を見たい、という口実で別荘を訪ねると、若い画家とブロンド美人がアトリエで密語していた。画架には毛皮を纏った裸婦の肖像画がかけてある。モデルは正に件のブロンド美人だ。画家は慌ててその画をもう一枚の肖像画と変えた。毛皮のブロンド美人だが裸婦ではない。多分チェルニコフが注文の画であろう。そこへチェルニコフが来て、ブロンド美人を自分の妻と、グランに紹介した。夫の不意の来訪に驚いた夫人は秘密の裸婦像を画箱に入れた。グランは画架の絵を片隅に隠した。チェルニコフは注文の絵が出来たと思い、画箱を受け取って自動車で帰った。夫人の驚きは一方ではない。さて、「毛皮のブロンド美人」は何処へ持ち去られるのであろう。チェルニコフとは何者か。ゴードン大尉とは何者か。またヴィオラは?そしてゴードンに化けているグラン氏は何者?

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