はだかの女王

解説

フランスのレヴュウ界の大立物であり黒人の踊り手として歌姫として世界的に名の高いジョゼフィン・ベーカーのトーキー第一回作品で、G・アバチノの原作をカルロ・リムが脚色並びに台詞づけ、「家なき児(1935)」「乙女の湖」のマルク・アレグレが監督に当たった映画。相手役は「上から下まで」のジャン・ギャバンで、その他、新人イヴェット・ルボン、「乙女の湖」のイラ・メエリー、「別れの曲」「泣き笑い千法札」のマルセル・ヴァレ、「外人部隊(1933)」のピエール・ラルケ、ピエール・パロー、等が助演している。撮影はミシェル・ケルベがルイ・ネの協力を得て担任し、作曲はジョルジュ・ヴァン・パリス、ヴァンサン・スコット、アル・ロマンの三人が分担し、そして舞踊振付は「泣き笑い千法札」のフロイド・デュポンが行った。

1934年製作/92分/フランス
原題または英題:Zouzou

ストーリー

黒人の娘ズーズーは同じく孤児のジャンとともにサーカス師のメレ爺さんに育てられた。ズーズーは道化師カカオの娘、ジャンはメレの朋輩の子であったのだが、二人は兄妹として育てられたのである。やがて、二人が年頃になり、ジャンが子供の時からの望みの水兵となった時にはこの一家はツーロンに落ちついていたところが、そこへパリのメレの古い友達からジャンをレヴュウ劇場フォリー・ド・パリの電気掛かりに周旋して来た。で、一家はパリに引っ越してメレはサーカスのメドラノの夜番を勤め、ズーズーは洗濯屋に職を得た。陽気なズーズーは朋輩達からも親しまれたが、わけてもこの店の娘クレールは彼女の仲よい友達であった。この時分では、ズーズーはジャンを己の許婚と自ら考えていたのであるが、ある時ジャンをクレールに紹介し、そして三人で下町のダンス場に行った。ところが、この晩からジャンとクレールとは互いに恋し合う様になった。しかしそれとは知らぬズーズーのことを思うと、クレールは友と恋との間に立って悩んだ。しかし、その内に、レヴュウの主役をする筈のバーバラが恋人と駆落ちして、劇場では代わりの主役を探すこととなったが、又一方ジャンはクレールを誘ってダンス場に行き、そこで思わぬ殺人の嫌疑を被り、刑務所に曵かれて行った。しかも、その同夜メレはサーカスで重傷を負い家へ担ぎ込まれると間もなく息を引きとった。ズーズーは途方に暮れたが、恋するジャンを救うため弁護士を雇うことを考え、レヴュウ劇場主に自分を使ってくれと申出た。劇場主は以前彼女が偶然の機会から舞台で素晴らしい踊りを見せたのを知っていたので、彼女を主役にしてレヴュウの舞台を開けたレヴュウは大成功だった。やがてジャンの無罪も晴れた。だが、この時にズーズーの深い悲しみに迄、ジャンがクレールと恋仲であるのを彼女は知った。で、彼女は黙ってまたレヴュウに帰った。そして華やかな成功の裡で、悲しい歌をうたうのであった。

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