母の手

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解説

「ジムミイ」と同じくジャン・プノア・レヴィとマリー・エプスタンとの二人が協力完成した映画で脚色、監督二つながら両氏の手になった。原作はゴンクール賞を取ったレオン・フラピエの有名な小説である。主役を演ずるのはコメディー・フランセーズ座附きのマドレーヌ・ルノーと無名から抜擢された少女ポーレット・エランベールとの二人で、なお以上を助けて「ドン・キホーテ(1933)」のマディー・ベリー、「ジムミイ」のアレックス・ベルナール、「浮かれ巴里」のアリス・ティソ、「プレジャンの舟唄」のシルヴェット・フィラシエ、アンリ・ドゥバン、エドモン・ヴァン・ダエル、アマン・メエストル、それからオペラ・コミーク座の歌い手ドゥリール、等が出演している。撮影はジョルジュ・アスラン、作曲はエドゥーアール・フラマンが担当した。フォトソノール撮影所で同所の録音システムによって撮影された映画である。

1932年製作/フランス
原題:La Maternelle

ストーリー

ローズは立派に学位までとった娘であるが、父に死なれ家運が傾いたために自ら独力で働いて行かねばならなくなった。そして探し当てた職業というのが下町の保育園で子供達のもりをする下働きである。そこには昼間になると近所の子供達が一杯に集って来るのだが、子供達はやがて親身も及ばぬ程にローズになついて来た。わけてもマリーという娘がそうだった。マリーの母親というのは街の女で、マリーには母の愛情が欲しかったのである。所が、その内にマリーの母親は男と駈落ちしてしまった。ローズは後に残されたマリーを自分の家へ連れて帰ってやる。その後、ある有名な学者が保育園へ兎の講義をしに来た時の事、ローズは子供達に兎のお話をしてやった。その事からローズが立派な学位を持っているのに、保育園で下働きをしていたのだ、という事が判る。この保育園の理事の一人リボアはやがてローズの健気な働きに惹かされ、その心は次いで恋となって彼女に結婚を申し込む。それを漏れ知ったのはマリーである。いじけたマリーは、斯うしてローズが己れから去って行くのだと思った。生みの母親に逃げられ、今またローズに去られる、と思うとマリーは堪えられなくなって自殺を計った。が、彼女は幸いにして救けられ、彼女はローズの愛の腕に再び抱かれた。ローズはリボアと結婚はしたが、可哀そうなマリーを手離す事は決してなかったのである。

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