「すごい映画だな、と思う。」M(1931) 星組さんの映画レビュー(感想・評価)
すごい映画だな、と思う。
1930年代初頭のドイツ映画
100年ほど前とは思えない緻密な映画
物語は
少女連続殺人事件に怯える街
ある殺人鬼の出没から始まる
警察に地下組織も加わり犯人を追う
犯人は街で少女を見ると豹変する
何かに取り憑かれたように変わる。
その変わる瞬間の演技が上手い
犯人役のピーター・ローレは
この作品でデビューした
目の表現に特徴を持ち
数々の作品に登場している
後半、犯人が自分の内面を吐露する場面がある。
まるで舞台劇を見ているような感情をぶつけてくる。
物語はあっけなく終わる
そこは少々残念に思うが
無駄な描写をぜず見せる手腕は凄い。
その監督はフリッツ・ラング
非常に力強い作品を作る人
彼の描く形は影と光そのもの
全てが映画的に迫ってくる。
この映画の演出に耳を澄ませたい。
撮影の殆どは屋内外のセット
驚いたのはそのデザイン性
電話、机、椅子、おもちゃ、
建物まで至る所に古さを感じられず
何を見てもスタイリッシュな物ばかり
当時のドイツという国の水準の高さを見た。
世界最高のレベルだと感じた。
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