「名作です 必ず観るべき作品と思います」M(1931) あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
名作です 必ず観るべき作品と思います
1931公開、独映画
白黒トーキー作品
初期トーキーの名作を思いつくままざっと挙げるとこうなります
1930年1月 巴里の屋根の下 (仏)
1930年4月 嘆きの天使(独)
1930年12月 モロッコ(米)
1931年2月 三文オペラ(独)
1931年2月 魔人ドラキュラ(米)
1931年5月 M(独)※本作
1931年10月 会議は踊る(独)
本作ではサイレントの残滓というものは、最早見られません
トーキーならではの演出はどうあるべきかと言うところに神経が払われています
それが現在に至る演出方法を創出してサスペンスを大いに盛り上げています
連続少児殺人事件の犯人が吹く口笛がそれです
同じストーリーをサイレント映画でやってみても、これほど効果をもたらすことはできないことが一目瞭然です
トーキーが当たり前の私達にとっては、何のこともない演出ですがトーキーの普及が始まったこの当時の観客からすれば圧倒的な演出に感じられたことでしょう
捜査をすすめる警察側、対抗して独自の捜査を行うギャング団の描写も冗長でなく、結末まで牽引するラング監督の的確な演出に感嘆します
名作です
必ず観るべき作品と思います
なぜならゴダールが自身の監督作品の「軽蔑」のなかで、ラングのMも知らないイタリ映画産業で働いている若い人物を登場させています
つまり、その意味はタイトルどうりなのですから
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