劇場公開日 1989年7月1日

「支離滅裂でツッコミどころ満載」男たちの挽歌 II バラージさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5 支離滅裂でツッコミどころ満載

2025年11月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

興奮

最近、1作目共々BS12で放送したんで録画して再観賞したが、観たのは実に35年ぶり。最初に映画館で観た時は、ポスターにはチョウ・ユンファ1人がでかでかと載ってるのに映画が始まったら全然出てこず、主役が別の人(ティ・ロン)だったんで、なんじゃこりゃ?となった。やっぱりちゃんと1作目から観るべきでした。結局、映画自体も期待したほどの出来ではなく、そのため1作目も長く観なかった。

今回観直すと、やや荒い作りだった1作目よりは少々洗練された作品となっていて古臭さは薄れていた。ただ香港映画にありがちなことだが、1作目が思わず当たったんで作られた2作目としてストーリーがかなりめちゃくちゃ。1作目の最後でユンファが死んじゃってるんで双子の弟という無理矢理な設定で出てくるのはまあしょうがないし、マブダチだったティ・ロンがその存在をまるで知らなかったというのも100歩譲って仕方がないにしても、ニューヨークの下町でレストランをやってるその弟が香港でヤクザ稼業をしてた兄に全く言及せず、兄弟の関係性がよくわからない。また香港のティ・ロン&レスリー・チャン兄弟とニューヨークの弟ユンファの話が終盤までほとんど絡まないまま別々に進み、無関係な2本の話を交互に見せられてるみたいになってるのもなんだかなあ。一応、ティ・ロン&兄ユンファの兄貴分で罠にハメられたディーン・セキがティ・ロンに助けられてニューヨークに逃げるという展開で強引に関係性を持たせてるがかなり無理矢理。どうも脚本が未完成のままクランクインとなり、プロデューサーのツイ・ハークが監督のジョン・ウーとユンファ&セキにニューヨークでとりあえず撮影させ、香港でハークがティ・ロン&レスリーのパートを撮影したらしい。

また娘や近しい人たちをみんな殺されたセキの頭がおかしくなっちゃうんだが、いくらショックを受けたにしても突然あんな廃人みたいにはならんだろ。さらに弟ユンファが世話を焼いても一向に回復せず飯も食わないセキに業を煮やし部屋中めちゃくちゃにしたらなぜかセキが飯を食い始めたり、さらには弟ユンファが殺し屋に射たれたのをセキが見たらなぜか唐突に正気に戻っちゃうとか完全に意味不明。そんな簡単なもんじゃねえだろ。精神病をナメてんのか? ただラストのドンパチは大迫力でなかなか面白かった(ティ・ロンが日本刀で銃持った敵をバッタバッタ斬り殺していくシーンは最初に観た時も今回もちょっと笑っちゃったけど)。だが、そこに行くまでがなあ。

お目当てのエミリー・チュウは1作目に続いてこちらでも当然魅力無し。やっぱウーは女性描写がほんと下手。これじゃさっぱり覚えてないはずだ。またしばらくしたら忘れてしまうだろう。エミリーはキャリア初期の『ファースト・ミッション』『サイキックSFX 魔界戦士』以外は作品に恵まれなかったようだ。

バラージ
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