男たちの挽歌のレビュー・感想・評価
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ジャッキー・チェンのライバルは?
1980年代ジャッキー・チェン全盛期のライバルといえば、ユン・ピョウ?サモ・ハン?否、それはこの作品「男たちの挽歌」!カンフーもユーモラスもありません。あらすじは、裏社会に生きる男達の友情と兄弟愛、以上です。では何故、映画.comのALLTIME BEST1200に選出されたのか?それは、ジョン・ウー監督が創る映像美と演出、主演チョウ・ユンファの放つ大人の男の色気!今や、映画や漫画で当たり前のスタイル「ロングコートに二丁拳銃」その先駆者はユンファが演じる主人公のマーク。裏社会の物語には似つかわしくないはずの「平和の象徴」白い鳩は、男たちを引き立てる。激しく美しいガンアクションは、ジョン・ウィックさえも逃げ出す程のド迫力!正にハードボイルドの代名詞的作品です。あっという間に引き込まれ、続編も観たくなる事間違い無しです!因みに、主人公の使う拳銃ベレッタは装弾数10発前後。何十連発も撃ってるのは、ご愛嬌。
カンフー映画に通じる熱いベタな映画
弟の彼女がいらない
リアリティは、あるのだが…
「香港映画の歴史を変える」「我が国はカンフーだけではない」
…という振れこみで出た映画だが、自分的には大してスケールの
デカい作品では、なかった…
確かにカンフーではなく、ガンアクションで描くならば、香港映画に
一石を投じる結果にはなったが、この映画単独で「たいそうな物」に
なったかどうか…?
ブルースリー、ジャッキーチェンの映画では、敵は「謎の組織」
「悪の秘密結社」な感じが多いが、これは香港街の闇を描いた
だけであって、偽札を大量に作る反社会組織が敵という
リアリティある世界観で有るのは認める
しかしながらガンアクションとして見れば、後に出るハリウッドの
マシンガン乱射の物に比べれば劣るし、ヒューマンドラマとしても
さほど深い物は無い
最後はネタバレになるので、詳しくは書けないが、何か
「兄弟愛」みないた、気持ち悪い感じで終わる
兄弟映画
香港ノスタルジー
仁義男らしく
その後の香港映画の歴史を変えた記念碑的作品、ぜひご鑑賞ください。
『男たちの挽歌』(1986)
「午前十時の映画祭14」にて4Kリマスターで初の劇場鑑賞。
何といっても本作は邦題が良いですよね。
中国語では「英雄本色」。
英題は「A Better Tomorrow」で「より良い明日を」。
これを「鎮魂歌」「レクイエム」でもなく「挽歌」に決定した当日の配給会社の人は素晴らしいですね。
同年ゲームの世界でもカプコンから『闘いの挽歌』という横スクロールアクションゲームもリリースされて子どもながらに馴染み深いワードでした。
1986年の公開当時は香港映画といえばジャッキー・チェンのカンフー映画かMr.BOO!のコメディ映画の二択のなか、「香港ノワール」と呼ばれるジャンルを創出、確立した記念碑的作品で、派手なアクションもありながら、男の友情と任侠を織り交ぜたストーリーは今回の鑑賞でもまんまと泣かされましたね。
男の悲哀を全身で表現するチョウ・ユンファ、ティ・ロン、レスリー・チャンも出演者も抜群に良いのですが、やはりジョン・ウー監督の冴えわたる演出。
フレンチ・ノワール、東映任侠映画をベースにしながら、銃撃戦はサム・ペキンパー、セルジオ・レオーネの多大なる影響を受けたスローモーションなどの演出は40年近く経っても痺れました。
本作の成功したことで、その後のジョニー・トー監督作品、『インファナル・アフェア』の端緒となったことを考えると感慨深いですね。
昭和...
ジョン・ウイックと比較するのは気の毒だよ
日本では昭和の終わり直前1986年の作品。ゴールデン・ハーベストで空手映画を撮っていたジョン・ウーがこれからは銃撃アクションだとカンフーに見切りをつけてつくった作品。カンフーは前半部分でティ・ロンとレスリー・チャンの兄弟がふざけあってる部分ぐらいにしか出てこない。後は基本、銃撃戦。ただ後年のジョン・ウー節ともいうべきアクションの切れ味レベルにはまだなかなか届いていない。西部劇と日本のTVドラマの影響が随所に見受けられる。要するにいろんなところから勉強中の発展途上。
ドラマの方ですが、これは中国任侠映画の伝統的テーマであるところの兄弟ものですね。兄弟のきずなの強さが描かれる。前述の2人の兄弟に加えて、ティ・ロンとチョウ・ユンファのいわば義兄弟のきずなも描かれるので、二重の兄弟ものであるといえる。香港ノワールとかいっても、精神的にはカンフー映画の流れをまだまだ引きずっているんですね。
一つ着目すべき点は結末で、最後に死ぬのが主役のティ・ロンでなくチョウ・ユンファであるところ。ハッピーに生き残るのではなく英雄的、かつ悲劇的最期を遂げるということで新しいタイプのヒーローを演出している、そしてそれが当時、売り出し中だったチョウ・ユンファに当てたというところがニューウェーブだったのかもね。
ジョン・ウイックと比較する評価もあるようだが、時代が全く違うのでそれは気の毒っていうものですよ。
伝説となった香港ノワールの傑作
いつ見るか
これは魂の代理戦争なのです
燃やした偽札でタバコに火を点けるチョウ・ユンファの姿は男のハートに刻まれる名カットである。
かつて喫煙者だった頃の私もこれを真似、スーパーでもらったまま期限が切れた割引券を燃やしてタバコに火を点けようと―アッツッ!
予想よりも火の回りが速い割引券はタバコではなく私の指を焦がし、思わず手を離したそれはシンクの上で燃え尽き灰になる。傍らでは口からこぼれ落ちたタバコが水を吸って湿気ていたのでした。
ほんの少し格好付けようとしただけなのにこの有様である。しかも無頼漢を気取ろうというのに火にビビり、流し台で実行するという小心者っぷり。(おかげで大事には至らなかった訳ですが…。)この恥ずかしい姿を誰に見られた訳でもありませんが、しかし何より自分自身が自分のバカさ加減を改めて見つめているのです。
ただ言い訳をさせてもらうと、私をこんなバカな行動に駆り立てたのはこの映画のせいである。この映画の放つ熱量に当てられ、のぼせてしまったのだ。しかしそれこそが本当の映画なのです。鑑賞後に人をのぼせあがらせる映画こそが真に面白い映画と言えるです。
映画.comにアカウントを作る際、“生涯ベスト5”を設定させられました(私は必ず設定しないといけないと思っていたのですが「未設定」でもよかったらしい…)皆さんもよく分かる事だと思うのですが、こんなもん無茶な話である。好きな映画を挙げだしたらとても5つじゃ収まらないし、ましてや順位なんてその日の気分でいくらでも変動するでしょう。だから私の“生涯ベスト5”はこのアカウントを作成した時の気分の記録です。しかしそれでも大抵の日においてこの「男たちの挽歌」(86年)はランクインしてくるだろうし、むしろこの作品を軸に順位を付けていくかもしれない。私にとってそんな映画なのです。
そんな本作が今回 池袋の新文芸坐にて上映されたので観てきました。上映後にはトーク企画があり、壇上には新文芸坐の花俟氏、映画評論家のくれい響氏、映画ライターのギンティ小林氏が登壇し貴重な話を聞かせてくれたのです。
なんでも今、香港映画が再び熱いらしい。しかし日本では上映館がかなり少ない。そんな現状を打破する一助になればという事で一連の香港映画の上映を企画し、本作もその中の1本であるとの事。うーん、熱い!やはり人を動かすだけの熱量をこの映画は帯びているのです。
トークショーで語られた事によるとこの映画の制作当時、監督のジョン・ウーは香港映画界から干されていたそうだ。そして主人公:ホー役のティ・ロンもかつての人気に陰りが見え、ホーの親友:マーク役のチョウ・ユンファはテレビでは人気の役者だったが映画では出演作が悉くコケて、映画人からは起用を忌避されており、ホーの弟:キット役のレスリー・チャンは元々アイドル歌手で役者稼業を始めたばかりのペーペーだったが、跳ねっ返りなところがこの役にピッタリだと監督のジョン・ウーと製作のツイ・ハークに見染められて起用にいたったとの事なのです。
つまりこの映画は当時の香港映画界に居場所のなかった男たちが集まって作り上げた起死回生の一撃であり、それはまさにこの映画の内容そのものなのです。
普段はおちゃらけて人懐こい笑顔を見せるマーク(チョウ・ユンファ)が過去を述懐し、ふと鬼気迫る表情になり言います『あんな屈辱は二度と受けないと誓ったんだ―』と。しかし、というかやはりというか、この前振りはキッチリ回収され、マークはかつてないほどの屈辱を与えられ、その代わりに地位や名誉や金やとありとあらゆるものを奪われてしまうのです。
あぁ、しかし、人生とはそこいら中に屈辱が埋まっている地雷原を歩くが如しもの。どんなに「あんな思いは二度と御免だ」と思っていても、もう本当に「なんで?」というほど定期的に屈辱に苛まれるものではないですか。別に「一旗揚げてやろう」だとか「人より抜きんでてやろう」だとかいう具合にアクティブに生きている訳でもないのにそうなのです。
“恥じて生きるより熱く死ね!”は男のハートに刻まれる本作の名キャッチコピーです。
そしてボロボロになりながらもマークはこう訴えかけてきます『運命に挑んだことはあるのか?ないだろ?一度もな!』……そのとおりなのですが、何とも酷な事を言うものです。
自分に覆いかぶさってくる屈辱や理不尽に対して挑みかかろうにも、相手の方が立場が上だったり、面白くは無いが確かに非はコチラにあったり、そもそも相手を跳ね返すだけの実力が自分にあるという自信がなかったりと、自分が行動した後の結果の成否や是非をついつい考えてしまいます。
映画の登場人物たちの人生はエンドロールが流れたらそれで終わりですが、私たちはそうはいきません。エンドロールが流れ終わったのを見届け席を立ち、劇場の外へ一歩踏み出せば、そこには再び生きねばならぬ人生が延々と続いているのです。
今後もそこで生きていく事を思えば、この屈辱を黙って受け入れた方がマシだな などと考えて、モヤモヤした物をグッと腹の底に押し込めてしまう事は往々にしてあるのです。
そうして屈辱と挫折を繰り返し七転八倒する内に角が取れ丸く、どんどん小さくなって低い方へ転がっていく人生。このやるせなさを一体どうしてくれようか?
いや、しかし、だからこそ映画の中の彼等には我が身に覆いかぶさる屈辱を跳ね除け、撃ち抜き、運命に挑んで欲しいのです。
バイクでマークの元へ駆けつけるホーの様に、戦場と化した波止場へボートの舵を切ったマークの様に、自分の思い描いた未来を捨てて友の元へ馳せ参じる姿に、自分はそうは生きられなかった事を思い、保身のために誰かを裏切った事を、誰かを失望させた事を、誰かを傷つけた事を、もう取り返しようもなく過ぎていったあの瞬間の事を脳裏によぎらせ、そして祈るようにスクリーンを見詰めるのです。
できる事と言ったら割引券を燃やしてタバコに火を点けるのを失敗する事くらいしかない私に代わって、そのべらぼうに弾の飛ぶ二丁拳銃を撃ちまくり、人生を燃やし、爆発炎上させてくれと―。
そうして映画が回っているこの時だけは、あの素晴らしいメロディがアレンジを変え様々なシチュエーションにフィットして流れているこの瞬間だけは、私もこの男たちと一緒になって熱く死ねるのです。
気づき、学び、刺激…何を求めて映画を観るのかは人それぞれ、その時々だと思いますが、この映画は私が映画を観る一つの動機なのです。
しがらみが凄い
・兄弟の葛藤、親友との葛藤もろもろ、凄く良かった。主人公が出所した後、紹介でタクシー会社に就職した際、前科のある人間に就職先はないが、ここでは皆が前科者だから気にすんな!俺はそういう人だけを雇ってるんだ!それに俺も前科者だしな!(確か)っていうのが誰にでも居場所、仲間はいるもんだよな…と少し気持ちが明るくなった。
・主人公がアメリカ人?にスーツケースでドル紙幣と香港ドル?と交換?をしてて商売成立みたいにしていたけど交換しただけでどういう利益が?と疑問だった。相手は本物だったのかな?
・非常に細かい所で主人公たちが一体どこでマシンガンを手に入れたのかが気になった。落ちぶれたとはいえ、そういう繋がりもあると思うけど、入手ルートのシーンが欲しかった。
・兄貴は極道だったけど、父親は何だったんだろうと思った。同業だったら弟も何か察しそうな気がしてくるけど、聞かないままきたらわからないものかもなぁとも思った。でも、凄く仲が良さそうだったから疑問といえば疑問だった。弟が中盤以降、ずっと表情が硬くて主人公は戸惑い、親友は死んだような目っていう表情が良かった。
二丁拳銃‼️
当時香港映画といえば、ブルース・リーのカンフー映画、マイケル・ホイのMr.Boo、ジャッキー・チェンのアクション映画、そしてキョンシー‼️そんな中にあって、突如現れたのがこの作品でした‼️香港ノワールと銘打たれた、この傑作アクション映画‼️マフィアの幹部である一人の男の、弟との兄弟愛、親友との美しき友情を、マフィア同士の抗争の中に凄まじいアクションで描き出しています‼️マフィアといっても「ゴッドファーザー」やフランスの「ボルサリーノ」とか「シシリアン」ではなく、日本の深作欣二監督の東映実録やくざ映画に近いというか、影響を受けているのは明白‼️今でこそ世界的な巨匠のジョン・ウーですが、この作品ではまだトレードマークである鳩は飛びません‼️でも銃弾は雨あられのごとく飛び交わせ、兄弟愛と友情で観る者の胸を震わせてくれます‼️そして主役の3人の俳優たち‼️ティ・ロンは言っちゃ失礼だけどフツーのオッサン‼️そんなフツーのオッサンの彼が弟のために、友のために涙を流し、銃を撃ちまくる姿がミョーにリアルでカッコいい‼️レスリー・チャンは兄のティ・ロンと比べたら、本当に同じ遺伝子かと疑ってしまう美青年‼️最初は兄に甘える可愛い弟だった彼が、刑事としての責任感を携えて男前に成長‼️この役が一番当たり役だと思う‼️そしてマーク役チョウ・ユンファ‼️札びらでタバコに火をつける仕草がチョーカッコ良く、二丁拳銃持たせたら映画史上ナンバーワン‼️親友ティ・ロンのために敵アジトに殴り込み、片脚を負傷‼️クライマックスでティ・ロンとレスリーのためにボートをUターンさせ、助太刀に戻るユンファ兄ィ‼️あの胸躍るテーマ曲に乗って船上よりマシンガンを乱射‼️もうカッコ良すぎ‼️「傷ついたこの男を見ろ‼️なぜ許さない⁉️」とレスリーに説教しながら、頭を撃ち抜かれ、ハチの巣にされるユンファ兄ィの姿に本物の男を見た‼️この瞬間、ユンファ兄ィはジャッキーと並ぶ香港映画界のツートップになったのです‼️あ〜、グラサンかけて楊枝くわえて、モデルガン二つ構えて横っ飛びしたなぁ・・・‼️この後香港映画界の悪しき風習で焼き直しの亜流作品が大量にレンタルでリリースされ、私の中の香港ノワール熱は急激に冷めたと思われた1989年、「男たちの挽歌」を凌ぐ大傑作「狼/男たちの挽歌・最終章」が登場‼️再びジョン・ウー監督とユンファ兄ィの前にひれ伏す私なのでした‼️
王道マフィア映画
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