劇場公開日 2022年4月22日

「初見。無理のある初期設定をはじめ突っ込みところ満載ながら兎に角面白い映画を作ろうという作り手たちの心意気が感じられて悪い点は付けられないね。」男たちの挽歌 もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5初見。無理のある初期設定をはじめ突っ込みところ満載ながら兎に角面白い映画を作ろうという作り手たちの心意気が感じられて悪い点は付けられないね。

2022年4月24日
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鑑賞方法:映画館

①公開当時は香港映画に限らずドンパチものは敬遠していたのでスルーしてました。今回4Kリマスター上映ということなので勉強のため初鑑賞。②4Kリマスターという割には昭和の映画/TVドラマの様な映像と昭和歌謡みたいな音楽に凄くノスタルジックな気分に。偽札作っている部屋や機械、オフィスや住居等の室内セットもチープで金掛かってないなぁ(掛けられなかった?)感が溢れておりますが、めちゃくちゃ上手いというわけではないけれども歯切れのよい演出のお陰で余り気にせずに(気にする間もなく)観れます。③兄が香港暗黒街の顔役であることを弟が大学生になるまで知らなかったなんてこと無いだろうし、マークも復讐するんなら台湾ギャングをぶち殺すより香港の裏切り者を探すべきだろう、とか突っ込みたいところも多々有りますけれども、こちらもテンポのいい演出のお陰で余り気にせずに話は進んでいきます。④主役の3人は揃って好演。レスリー・チャンはやや一本調子な演技になっているが、一番若いこともあるし役柄も若い刑事の突っ張りと兄への強い憎しみ(それだけ好きだったんだろうねぇ)を終盤まで演じれば良かったわけだから。ポスター等からすっかりチョー・ユンファが主役と思っていたら三人の中で唯一命を落としてしまう役でびっくり。でもお陰で注目されたのでしょうね。冒頭近くの白人とドルの偽札と香港のお金を交換するシーンは演出も余り上手くないし白人俳優のギクシャクした演技も気になったが、チョー・ユンファが英語が分からないのに適当に話を合わせているところがいかにもリアルで見ていて面白い。初仕事となったインドネシアでの屈辱的な思い出を語るシーンも表情の演技が上手い。下積みが長かったせいかちゃんとした演技力を培っていたのでしょうね。ただ、この映画がチョー・ユンファやレスリー・チャンの出世作になった為影に隠れてしまったようだが、ティ・ロンの好演を忘れてはいけないだろう。最初はチョー・ユンファの引き立て役かと思っていたら、刑務所から出たくらいから存在感が増し始め、チョー・ユンファとレスリー・チャンの攻めの演技を受け止める“受け”の演技に徹して映画の真の要となっている。⑤製作陣としては“男”の映画を撮りたかったのだろうから、紅一点のレスリー・チャンの恋人役はキレイであれば誰でも良かったようで、扮するどことなく沢口靖子似の女の子は演技も下手。彼女の役をもっと上手い女優がやれば作品にも深みが出たと思うのだか、まあ、男の映画➕アクション映画を撮りたかったので“女”まで気を回さなかったんでしょうね。⑥そしてクライマックス。堅気になったのに(ホー)、物乞い同然になったのに(マーク)、銃をどこで調達したんだろうとか、二人(途中で一人参戦)であれだけの人数をほぼ根絶やしにするのはどう考えても無理やろ、とか突っ込みところが頭を過るが、盛大な銃撃戦(➕爆発シーン)でどっか行っちゃいます。あの畳み掛ける様な演出と臨場感はなかなか凄い。マークが死んじゃうシーンも印象的だが、ラスト、キットが銃をホーに渡し、ホーがシンを撃ち殺した後、キットの手錠を取って自分ではめ、手錠で繋がれた(心も再び繋がった)兄弟が歩いていく姿に不覚にも(;_;)してしまった。⑦あと、どうでも良いことですけれど、邦題の『男たちの挽歌』はパッと見カッコいいけれども、映画の中身にはあまり合っていないと思う。英題の『A Better Tomorrow』ももうひとつかな。ここはやはり原題(中国語題名)の『英雄本色』(“任侠”の本分)が一番ピッタリくると思う。ホーとマークの関係には親友を越えた中国の物語に出てくる義兄弟のような関係性も読み取れるから。

もーさん
NOBUさんのコメント
2022年4月27日

今晩は。
 「アンダーグラウンド」に頂いたコメントバックです。
 このコメントは直ぐに消えるので書きますが、私が大切にしているものは
 1.家族(家人、子供、両親)
 2.仕事・・”これを人並み以上にやっていないと、映画は観れません。”
 3.本(電子ではなく紙)
 4.ロック(ポップス含む)
 5.映画
 6.アウトドア
 ですが、不惑の半ばになった一昨年位から老眼(嫌な言葉ですね・・)になり、読書量が激減しました。
 で、コロナ禍が世界を覆ってから、映画は映画館で見るモノである、という規律をゆるくし、(Nから初めてW。今はUです。)帰宅後、映画を1-2本観て、読書をして、翌日会社で夕方、時間が空いた時に昨晩観た映画のレビューの草稿をチェックし、投稿しています。
 「アンダーグラウンド」は、拙レビューにも書きましたが、ホントに偶々自宅から車で直ぐのイオンシネマで掛けてくれて劇場で見れました(けれど、お客さんは二人・・。「スモーク」に至ってはレイトショーでしたが、180席で独り・・。)私が、エミール・クストリッツァ監督の作品が好きなのは、音楽好き故だからだと思います。(あとは、生命力が感じられるところ)
 最後に、私がショートスリーパー体質であるという事も付け加えさせていただきます。
 簡単に言えば、私には映画以外にもイロイロ大切なモノがあり、それを愛で、大切にしている事を知って頂きたかったのです。
 長くなってすいません。では、又。

NOBU
talismanさんのコメント
2022年4月25日

レビューの全て、細部に至るまで納得いたしました!

talisman