「【極道の男の誇りと友情、弟を思う兄の愛を、激烈なガンアクションで描き出した作品。】」男たちの挽歌 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【極道の男の誇りと友情、弟を思う兄の愛を、激烈なガンアクションで描き出した作品。】
ー 抒情性に満ちた、ノワール映画である。今作の随所で流れる音楽がそれを助長している。ー
◆感想<Caution 内容に触れています。>
・極道の世界の栄枯盛衰の描き方。
ホー(ティ・ロン)とマーク(チョウ・ユンファ)が率いていた極道組織が、ホーが3年刑務所に入っていた間に、弟分だったシンが頭になっている。
そして、銃撃戦で足を撃たれたマークの落ちぶれた姿。
ー 香港では”お勤めご苦労様”極道文化はなかったのだろうか・・”
今作は、シンプルだが、観る側に響く、物語・人間関係構成の勝利した好例であろう。ー
・極道の兄ホーの弟で刑事になったキット(レスリー・チャン・・・。合掌。)が、兄が極道であるが故に、昇進出来ずに、兄を徐々に疎ましく思って行く姿。
・前科人達を雇うキン社長が経営するタクシー会社。
ホーを快くではないが、雇う姿。
そこに遣って来る、ホーに嫌がらせをするシンの手先達が、タクシーを叩き壊す姿。
ー 元前科人達を必死に抑えるキン社長。だが、ホーはいよいよ居場所がなくなって・・。
中盤の台詞”悪の組織に入るのは、簡単。だが、抜けるのは難しい・・。”ー
・キットの妻、ジャッキーの誕生日。けれど、仕事をするキット。
そこに現れたホーとキットの間に、壁が出来てしまった遣り取り。
・シンの悪辣ぶりが、今作を”勧善懲悪”映画に見せているのも、ポイントであろう。
鑑賞側は、皆、ホーとマークを心中で応援するのである。
ー マークが必死にホーとキットの仲を修復させようとする姿。だが・・。ー
<年代的に、初めて鑑賞。
序盤は、やや古めかしさを感じたりしたが、後半、ググっと面白くなる作品。
ホーが男として、親友マークを殺された落とし前をキットの銃を借りて、キッチリ付けるラストは、沁みます。>