ロベルト

解説

「生けるパスカル(1925)」「キイン」のイワン・モジューヒン氏が主演する映画で、「東洋の秘密」「キイン」のアレクサンドル・ヴォルコフ氏が監督したもの。史実に拠ってヴォルコフ氏自らノルベルト・ファルク氏と共同して脚色した。キャメラは「東洋の秘密」のニコライ・トポルコフ氏とF・ブルガソフ氏及び「バラライカ」のビュレル氏とが担任している。助演者は「春は悲し」「罪の購い」のディアナ・カレンヌ嬢、「ありし日のナポレオン」のスュザンヌ・ビアンシェティ嬢、「パンチネロ」のイェニー・ユーゴー嬢、「スピオーネ」「メトロポリス」のルドルフ・クライン・ロッゲ氏、「ポンペイ最後の日(1926)」のリナ・デ・リゲロ嬢、ドゥクウル氏、オルガ・ディ嬢等である。ドン・ファンと並ぶプレイ・ボーイとして有名なカサノヴァの情史であるが、“カサノヴァ”の題名で公開してはならぬ、ということで、この題名となった。内容も検閲により相当カットされている。(無声)

1927年製作/フランス
原題または英題:Roberto the Prince Adventures Casanova

ストーリー

十六世紀末イタリア、ヴェネチア共和国の文化が爛熟の頂点に達した頃、イタリアは勿論ヨーロッパ切っての伊達者と謳われたカザノヴァはただれた様な恋愛三昧の生活を送っていた。彼はあらゆる女を征服する不思議な魅力を持っていたが剣道の達人としても有名で弱者を扶け強者をくじく侠気を持っていた。道楽者の常で借金に苦しんでいたカザノヴァは或日債鬼に責められて窮余の一策と、習い覚えた奇跡で嚇かし、魔術の本で借金を棒引きさせた。ところが其の結果彼は魔法使いと見做され捕縛されようとしたので、止むなく一時国外に逃れることになった。オーストリアの或る宿屋で深夜バイロイト侯爵に苦しめられている男装の美少女カルロッタを救い出して一緒に逃げ出したカザノヴァは運悪く追手に捕えられ少女を取戻された上素裸にされて山道に捨てられた。ところへロシアのペーテル公の妃カテリナの許へパリ流行衣裳を持参して行くデュポンの馬車に拾い上げられ次の宿駅まで連れて行って貰うことになった。翌朝デュポンの旅券と荷物とを失敬したカザノヴァはデュポンに化けてロシアへ入った。カテリナ公妃は良人ペーテル公と幸福な仲ではなかったので、カザノヴァの伊達姿に心を惹かれ、彼は公妃の寵遇を蒙った。しかし浮気なカザノヴァはヴェネチア大使の夫人ビアンカの美貌に魅せられ、公妃誕生の宴会の夜ビアンカに手を出したためカザノヴァは公妃の逆鱗にふれ監禁されることとなり、その護送の途中ビアンカが乗っている橋に衝突し、橇に乗移って逃れロシアを脱出した。ヴェネチアへ舞戻ってビアンカを探し廻った彼は謝肉祭の夜彼女と相逢う事が出来た。其の悦びも束の間バイロイト侯に伴われたカルロッタが彼の姿を認めて喜びの余りカザノヴァと叫んだので、ソレ魔法使を捕えろと大騒ぎとなった。彼はしかし危難を脱してビアンカとゴンドラに揺られて一夜を明かした。翌朝女の悲鳴が聞えるのでゴンドラを立出てて見るとカルロッタが侯爵に苦しめられていたので、侠気な彼は侯爵を斃してカルロッタを救ったが、その為めビアンカが嫉妬に駆られてカザノヴァを狙撃したので、大勢の捕吏に取囲まれて彼は捕えられた。捕られた彼は死刑の宣告を受けた。自由となったカルロッタはカザノヴァの友人と協力して死刑執行の日彼を救い出すことが出来た。何処までも共にと願うカルロッタの切なる望みをも却けてカザノヴァは新たなる恋の冒険を求めて海の彼方へ船出した。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く