暁(1926)

解説

「ネル・ギン」「デカメロン夜話」と同じくハーバート・ウィルコックス氏が監督した映画でレジノルド・バークレー大尉の原作からウィルコックス氏自ら脚色した。主演者は英国劇壇の名女優シビル・ソーンダイク嬢で、アダ・ボダール夫人、マリー・オールト嬢、ミッキー・ブラントフォード嬢等が共演して居る。この映画は欧州で公開の際ドイツからの抗議で大問題を惹起し、当時大センセイションを起した映画である。(無声)

1926年製作/イギリス
原題:Dawn

ストーリー

英国の看護婦キャヴェルは永年の苦節酬いられて、ベルギーのブリュッセル市の病院長と成って居た。大戦が起った時、彼女は知合いのラッパール夫人の息子ジャックが独軍の手を逃れて来たのに同情し、巧みに国外へ逃してやった事が縁と成り、その後連合国側の兵士が捕虜収容所から脱走して来るたびに、病院の地下室に隠し、運河を利用する伝馬船に托して、何れも無事にイギリスへ送り届けた。その数二百数十名に及んだが、遂に独軍の知る所と成って捕縛された。米国公使ブランド・ウィットロック氏は彼女の助命にあらゆる手段を講じたが、キャヴェル看護婦は1915年10月12日ブリュッセル郊外に於て銃殺の刑に処せられた。この時独兵の一人ラムムラーは発砲を拒絶した為、士官に銃殺され、二人の墓はブラッセル郊外の荒野に相並んで建てられた。

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