美はしの人生

解説

「ムーラン・ルージュ」「ノラ」等に出演したオルガ・チェホーワ夫人が主演する映画で、古くは「チラノの接吻」「権衡の女神」近くは「ポンペイ最後の日(1926)」を作ったイタリアの名監督カルミネ・ガローネ氏が監督したもの。原作もガローネ氏自ら執筆し、ドイツのノルベルト・ファルク氏が脚色した。助演者は新進のドイツ俳優ハンス・ステューヴェ氏を始め、「ヴェニスの謝肉祭」「画家と女店員」のフランス女優ジョジアーヌ嬢、「サラムボオ」「家なき児(1926)」のフランス俳優アンリ・ボーダン氏等で、イギリスのC・M・ウルフ氏が製作した、欧州で流行の国際的映画の一である。(無声)

1928年製作/イギリス
原題:Love's Crucifixion

ストーリー

ロシア帝室舞踊団の花形アンナ・スミンスキは夫との間にポオルという可愛い子まである身であるのに、赤軍の将校フェドル・コルニロフは彼女を我がものにしようとした。そしてアンナから手酷く肘鉄砲を喰ったのを恨んで暴動が起こった際にアンナの夫を銃殺してしまい、彼女を手ごめにしようとしたが、アンナは愛児を伴って逸早く国境指してソリを飛ばした。ところがポーランドは独立戦争で国境付近は修羅の巷と化していたので、彼女のソリは転覆してしまいポオルとは別れ別れになった。アンナが愛児の行方を探しまわっている頃、ポールは赤軍の兵士に救われたが、その指揮者がコルニロフだったのでポールは彼の執念の虜となった。アンナは風の便りに愛児がパリに連行かれたと聞いて出掛けて見ると人違いだったてので失望の極セーヌ河に投身した。それを通りかかって目撃した青年画家ガストン・ルロオは救い上げ、モンマルトルにある彼のアトリエに伴い帰って親切に世話をした。これが奇縁で二人は恋し合う仲となったが或夜仮装舞踏会の席上でアンナはコルニロフと邂逅した。彼はボオルの居所を教える交換条件に彼女の肉体を要求した。それを知ったガストンは友人の援助を乞うてコルニロフを脅迫してボオルの隠し場所を聞き出した。アンナはガストンに伴われて愛児が隠されているポーランドの田舎へ向かったが、コルニロフは飛行機を利用して先回りしてポールを奪ってソリに乗って逃れた。一足遅く着いたアンナとガストンはその跡を追った。コルニロフのソリが国境線を越えようとする時、氷の裂け目からソリは河中に没入した。コルニロフは非業の最期を遂げ、氷片に乗って押し流されるポールはガストンに救われた。かくてアンナには始めて悦びの春がきたのであった。

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