マリア・マグダレナ

解説

一八四四年ドイツ文豪フリードリッヒ・ヘベルが発表した劇で、近代社会劇の根源をなすものと云われる程有名な劇である。それを映画化して五篇となし、ドイツ一流の底力ある静寂を背景に深刻な社会悲劇を構成して居る。無声。

1919年製作/ドイツ
原題または英題:Maria Magdalena

ストーリー

クララはフレデリックと許婚の間柄であったが其の留守中猪口才子のレオナルドの甘言に乗せられてうっかり固い契りを結んでしまった。しかるに彼女の兄のチャールスは盗賊の汚名を着た所からあたかも市吏に当選して立身栄達を望むレオナルドはクララとの約束を弊履の如く打ち捨ててしまった。しかしクララは父親の戒めに依って愛は無いが唯義務の念から飽くまでもレオナルドに結婚を請うたが彼は栄進の足掛かりともなる市長の姪に心奪われて居て相手にならない。彼女の許婚者なりしフレデリックはレオナルドの陋劣不真に義憤を発して之と決闘し遂に相手をたおしたが、己れもまた重傷を負い彼はクララの家に辿りつき父親にクララを許さん事を請うたが、クララは其の時丁度兄のチャールスが出獄して、まさに当てなき漂泊に上ろうとする別れのはなむけに一杯の清水をば裏手の井戸に汲みに行ったが、去りて帰らぬ処女性を悲しんでそのまま井戸に投身してしまう。唯一人残ったクララの父親箱造りのアントニーは「世の中が分からなくなった」とばかり独りコツコツと木を削って暮らして行った。

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