ヨーロッパの何処かで

劇場公開日:

解説

ハンガリーの映画人ゲザ・フォン・ラドヴァニ(「名のない女たち」)が私財を以て製作・脚色・監督した作品で戦争浮浪児の生態を描く一九四八年作品。脚本には同国の童話作家で映画理論家として知られるベラ・バラージュ(ベラ・ボラージュ)が協力している。撮影はバルナバアシュ・ヘジイ、音楽はデエネシュ・ブダイの担当。ブダペシュト劇壇の名優アルトゥール・ショムライの他、ミクロシュ・ガアボル、ジュジャ・バーンキ、ラスロオ・ホルヴァトらの少年少女が活躍する。

1948年製作/ハンガリー
原題または英題:Valahol Europaban
配給:欧米映画=東映社
劇場公開日:1952年2月12日

ストーリー

一九四五年、ナチ・ドイツの抗戦もようやく終りを告げる頃、ドナウ沿岸の街道筋を浮浪児の一団がさまよって行った。唯生きるだけのために、彼らは畑から種芋を掘り、トラックを止めて食をうばい、農家を襲って豚や鶏を盗んだ。この一団の中には首領株のピエール、ドイツ兵から辱めを受けた少女のエヴァ、小柄なククシらがいた。或日彼らは丘の上に古城をみつけ侵入したが、中には戦火をのがれた老音楽家(A・ショムライ)がひとり住んでいた。子供達は彼を縛り上げたが、やがて彼の善意を悟ると忽ち仲よしになり、かくて老人と子供達の奇妙な生活がはじまった。老人はピアノでラ・マルセイエズを弾いて子供に音楽の力を教え、子供達は日々の生活にはげんで歪んだ性格を直して行った。子供達に恨みのある村人は彼らを一掃しようと城へ攻寄せる準備をしはじめ、子供達もバリケードを築いて侍った。戦いがはじまり、子供らは石で応戦したが、村人の一弾はククシを倒した。彼を医者にみせるため子洪らは村人に降伏し、裁判にかけられた。音楽家は、古城が子供の所有であり、彼らは浮浪児でない旨を証言して村人を黙らせたが、この時ククシは力つきて息をひきとった。老音楽家がひとり演奏に旅立って行ったあと、古城では子供達だけの明るい生活がはじまった。

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