ポー河の水車小屋のレビュー・感想・評価
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製粉税
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イタリア新国家(統一イタリア)のために
国家レベルで統合された公的債務を抑制するためにも
政権による重税政策がとられるが
その中でも特に、悪名高い「製粉税」に焦点があてられている
これにより全土で反乱が勃発した
(公的収入は倍増するが富の移転という側面も)
ここではフェラーラ周辺のデルタ地帯の事情が描かれている
地主と農民、日雇いの対立
流れ者がもたらす波風
英国製の脱穀機と兵隊(元農民)の投入
仕事を奪われる恐怖と地母神のような農村の女性たち
労働組合が結成され
組合員は非組合員(粉屋と粉屋の娘の恋人)を村八分にする
社会主義者が〈キリスト教的慈愛〉の時代は終わり
〈社会主義〉の時代がくると断言
信仰に厚い農民は困惑してしまう
これらによって引き裂かれる
美しく健全な恋人たち
統一イタリアの財政政策が
人々に諍いを起こさせコミュニティを破壊する
劇的な展開だが、映像は牧歌的
これらの諍いを神話の中の出来事に重ね合わせているようにも
エリダヌスはギリシア神話の川の名
パエトンが墜落したのは北イタリアを流れるエリダヌス川で
これはポー川ともいわれている
体を裂かれるような立場になってしまった粉屋の娘の恋人や
統一イタリアを成し遂げた歴史的右翼の失墜を重ねているか
ラストではやっぱり効率を望む層には理解されない
地域の土着信仰のようなものが神々しく語られていた
自由思想家のおばちゃんが登場してきたのも興味深かった
だが、粉屋と教会の鐘に演説を阻止される
(そして旗には 悪魔印? が……)
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