LSD・5ドルで天国
劇場公開日:1968年8月1日
解説
アースキン・ウィリアムスの『LSD・5ドルで天国』より、エルネスト・グイダ、ヴィニチオ・マリヌッチ、アルナルド・マソース、ジュゼッペ・スコテーゼが脚本を書き「連鎖の大陸 《苦いパン》」のジュゼッペ・スコテーゼが監督したセミ・ドキュメンテリー。撮影はジャンパオロ・サンティーニ、音楽はフランチェスコ・ラヴァニーノ、アルマンド・トロバヨーリで、「連鎖の大陸 《苦いパン》」と同じスタッフ。出演はジャネット・ティレット、スティーブン・フォーサイス、バッド・トムソンなどアングラ演劇の俳優たちである。
1967年製作/イタリア
原題または英題:Acid
配給:日本ヘラルド映画
劇場公開日:1968年8月1日
ストーリー
初めに、ニューヨークのグリニッチ・ビレッジのヒッピー族とLSD流行の実態を克明にとらえたあと、精神医学研究所のオズモンド博士や、睡眠薬問題委員会のルリア博士に、LSD流行の特徴や、服用による人害をたずねる。「LSDの流行は憂慮すべきだ」というのが両人の一致した意見である。続いてLSDを服用した連中にスポットをあてる--。大学生であり、写真モデルとしてもかなり名の知られたシェリーは二十歳の誕生日に、友人のアーシュラからケーキを贈られた。そのケーキには、アーシュラのいたずらでLSD入りの角砂糖が使われていた。以来、シェリーはLSDのとりこになってしまった。一方大証券会社の副社長に就任したエディ・ストーン(S・フォーサイス)は、アパートの自室で就任披露のパーティを開き、ポーラ(J・ティレット)も招かれた。ポーラはヒッピーに絶大の人気を持つ“ビレッジ・ボイス”紙の、女編集部員でエディとは学生時代からの友人である。パーティが最高潮に達した時、エディとポーラはパーティを抜け出し、二人の時間を待った。が、彼は、資本主義社会の複雑な機構により性的不能になっており沈んでいた。そんな彼を、ポーラはアレン教授のもとに連れてゆきLSDの効用によって、セックスの回復をはかった。だが、エディの性は回復せず、幻覚の世界に魅せられたエディは、副社長を辞任してしまった。アングラ演劇の女流作家パトリシアは、バレー・ダンサーの黒人青年ニッキーと同棲していたが、最近ニッキーの態度は冷たくなった。白人女性に所有されていることが、ニッキーにはたえられなかったのだ。そこへシェリーの友人で、南部生まれのアーシュラがあらわれ、ニッキーを誘惑した。そのことを知ったパトリシアは、現実から逃避するため、LSDの力をかり、“空を飛ぶような気分で”鉄橋から飛びおりた。その頃、ポーラは、マリファナやLSD密売の前科のあるサルと偶然出会い、ひかれるものを感じてデートを、かさねていた。が、サルは仲間の裏切りをかばったため、殺し屋の手で消されてしまった。そして、LSD中毒となったシェリーも、自殺とも事故とも知れぬ方法で、死んでしまったのである。