「危ない撮影余話」続・夕陽のガンマン 地獄の決斗 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
危ない撮影余話
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お馴染みのマカロニ・ウェスタン、原題はThe Good, the Bad and the Ugly(善玉、悪玉、無頼漢)、続が付いているが別の話です。
一応クリント・イ-ストウッドは善玉とされていますが他の二人より多少はましなだけで立派な犯罪者、総じて野蛮で荒っぽさが売りなのでしょう、面白いのはわざわざアウトロー物語に戦争を絡めて非道性を希釈している脚本家の悪知恵でしょう。知ってしまえば凡庸な筋書きなのですが映画としてみると完成度の高さに惹きこまれます、流石、マカロニ・ブームを起こしただけのことはありますね。
脱線ですが余談が多いのも本作、悪玉役のリー・ヴァン・クリーフですが映画とはいえ女性は殴れないと拒否、スタントマンと編集で誤魔化したようです、悪役俳優でも立派なジェントルマン。
カメラが回っていないのにセットを爆破してしまったというドジなエピソードで有名な映画、これはスペイン陸軍がエキストラ協力してくれたお礼に大尉に起爆装置を託したがスタッフの会話を指示と勘違いしたらしい。映画の橋は作り直して2度爆破されたことになる、おまけに南北戦争の頃にはダイナマイトはまだ出来ていなかったのに誰も気づかなかったというお粗末さも加わって泣き面に蜂状態。手錠を列車で切るシーンは実写だったらしい、もう少し頭を上げていたら列車のステップに当たって即死だったと後になって分かったというがスタッフの安全意識の低さには唖然とします。身の危険という訳ではないでしょうが煙草嫌いのイ-ストウッドに葉巻を吸わせ砂漠を引き回すなど懲りたようでイ-ストウッドのセルジオ作品出演はこれが最後になりました。
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