明日に太陽を
劇場公開日:1964年11月
解説
エリオ・ビトリーニの小説から「河は呼んでる」の監督フランソワ・ヴィリエと「家なき子」の脚色者レモ・フォルラーニが翻案し、ファビオ・カルピとネロ・リージが協同脚色、ヴィリエが監督した肉親愛ドラマ。撮影は「河は呼んでる」のポール・スリニャック。音楽は「大盗賊」のジョルジュ・ドルリューが担当した。出演者は「フランス女性と恋愛」のピエール・モンディ、「生きる歓び」のディディ・ペレゴ、子役のマリエット、「妖姫クレオパトラ」のジョルジョ・アルディソン、ジャン・ピエール・ムーラン、マリー・デュボアなど。一九六二年のフランス・シネマ大賞をとっている。
1963年製作/フランス・イタリア合作
原題または英題:Jusqu'au bout du Monde
配給:松竹映配
劇場公開日:1964年11月
ストーリー
ピエール(ピエール・モンディ)はコルシカ島の埠頭に降り、そこから歩いたり運搬トラックに便乗したりして、島の奥地へと進んで行った。九歳の一人息子ピエトロ(マリエット)を引きとるために。ピエールのかつての妻が少年を残して死んだから。だが、対面をしたものの、別れた後に生まれた子供なので息子という実感はなく、まして本土へ帰ってからの労働者暮しを思うと荷厄介だった。そんな心を子供心に感じてか、少年も彼にはなじまない。二人は村を出た。あてなどない。何処か親切な人に預けよう--心の中でピエールは考えていた。何日かすると、ピエールは無一文になった。空腹に耐えきれず弁当を盗んだり、放牧の山羊の乳を飲みもした。だが、気の良い木こり達のはからいで救われ、ピエールは伐採夫の口を得た。数日後、知りあった巡回雑貨商の女と共にまた旅を始めた。女が店を開くのを手伝えば飯にありつける。いつしか親子に心ぬるむ愛情が芽生えていた。女とも別れてある山腹で貧しいが幸福そうな羊飼いの親子に出会った。ピエトロを預けよう、ピエールは直感的に決めた。人生の起伏を歩み続けて来たような初老の男は気軽に彼の申し出を受けてくれた。翌朝、ピエトロを加えた羊飼いと別れたが、その気楽さが、いつしか、一歩毎に得体の知れない寂しさに変っていった。それが親としての愛と知ったとき、ピエールはくるりと一目散に羊飼いの去った方へ走った。少年の名を高く呼びながら、息を切らせて……。
スタッフ・キャスト
- 監督
- フランソワ・ビリエ
- 脚本
- レモ・フォルラーニ
- フランソワ・ビリエ
- 脚色
- ファビオ・カルピ
- ネロ・リージ
- 原作
- エリオ・ビトリーニ
- 台詞
- レモ・フォルラーニ
- 撮影
- ポール・スリニャック
- 音楽
- ジョルジュ・ドルリュー