土曜族に夜はない
劇場公開日:1962年5月11日
解説
若人の手で若いものたちの映画を作ろうと役者のダニエル・コーシーと、助監督のヤニック・アンドレが意気投合し作ったのがこの映画である。この二人の共同になる脚本を、ヤニック・アンドレが演出、撮影はマルセル・コンブ、音楽はサッシャ・ディステルが担当。出演者はダニエル・コーシーをはじめ、最近自動車事故で死んだ「激しい夜」のアンヌ・マリー・ベリーニ、エリック・ル・アン、フランソワーズ・デルディックなど。ダニエル・コーシー製作。
1961年製作/フランス
原題または英題:Samedi Soir
配給:東和
劇場公開日:1962年5月11日
ストーリー
土曜日の夜、それは働く人にとって最大のいこいの時だ。とくにハイティーンたちは夜の街に快楽を求めてとび出して行く。ここパリの雑踏にも一週間の労働から解放されたハイティーンのグループがたむろしている。機械工のジャッキー(ダニエル・コーシー)をリーダーとするグループ、ピエロ、トニオ、クリスチャン、ジャッキーの弟ベルナール、ジャッキーの恋人テレーズ(アンヌ・マリー・ベリーニ)、モネットなど、今夜もいつもの顔ぶれがそろっている。皆いくらか無軌道なところもあるが根はまじめな仕事を持っているハイティーンたちである。彼等は、スクーターの合乗り、ジュークボックスのジャズ、西部劇、ボクシングと若さを発散させる道具にはことかかない。最後にジャッキーたちはバーへ入った。だが、ここでふとしたことからジャッキーはそこの客と口論し、なぐり合いの末、相手はカウンターに倒れて自分で押しつぶしたグラスで喉を切ってしまった。驚いたジャッキーは逃げ出した。パトカーが到着し、逃げ遅れたトニオとベルナールはつかまった。二人はきびしい訊問にあい仲間の名を白状した。逃げのびたジャッキーとピエロはつかまった二人のことを心配しながらもテレーズたちと落ち合う約束のダンスホールへやって来た。だが、不安になった彼は、一人で家へ帰ってみた。一方、ホールに残ったピエロは、刑事につかまってしまった。このことをジャッキーに知らせようと外に出たテレーズは、オートバイに乗ったグレン隊にとりまかれた。折よく戻って来たジャッキーに救われたものの、彼はグレン隊のリーダーに決闘を申し込まれ容赦なく制裁を加えられた。原っぱで気を失ったジャッキーを一晩中介抱するテレーズ。やがて眼をさました彼は、テレーズの愛を知ってしっかり抱きしめるのだった。警察が自分を追っていることを知ったジャッキーは自首を決心し、力一杯走り出した。殺人容疑者として罪をあがなわなければならないジャッキー。そして警察署の門の前には泣きくずれるテレーズの姿が見えた。