わたしを抱いて

劇場公開日:

解説

短篇映画作家出身で、一九五一年ヴェニス映画祭でグラン・プリ短篇映画賞をとったことのあるルイ・フェリックスが監督した作品。南フランス田園地帯の男女の三角関係を描くドラマ。脚本はルイ・フェリックスとポール・デルソルの共同。撮影をマルセル・コンブとアルトゥール・レモン、音楽はフェルナンド・クレアーが担当している。主演するのはいずれも新人で、パトリシア・カラン、ミシェル・バルディネ、ヤーヌ・バリー。製作ローラ・コーン。

1959年製作/スイス
原題:Chaleurs d'Ete
配給:映配
劇場公開日:1959年11月19日

ストーリー

南フランスのブドウ地帯ラットでブドウ園主アレクサンドル・アントワーヌ・マンスが死んだ。遺産相続とブドウ園処理のために甥のロベール・マンス(ミシェル・バルディネ)がパリからやってきた。収穫期を前にして人手不足のために、農場に小作人の娘マガリ(ヤーヌ・バリー)が傭われ、ロベールと暮すことになった。馬を買うために馬商人コンブの店に行ったロベールは、そこでコンブの娘リナ(パトリシア・カラン)を知った。彼女は、コケティッシュな村娘だった。素晴らしいスポーツ・カーを持つパリ男ロベールに彼女は興味を抱いた。馬をとどけに行ったリナは彼を夜の海辺にさそい出して誘惑した。ロベールはリナのとりこになった。だがマガリの泣きながらする説得でロベールは再び農場の仕事にせい出すようになった。マガリを憎んだリナは、彼女に横恋慕している鍛冶屋の息子ポールをそそのかして、マガリを襲わせた。ポールに襲われて乱れた姿をしていたマガリを見て、ロベールは、マガリがあばずれ女だというリナの言葉を信じるようになった。夏の高温でブドウ樽が破れそうになった時も、マガリの忠告を聞こうとせず、ロベールはリナとの逢瀬におぼれた。だがブドウ酒は樽から流れ出して、農場は資金に詰った。心を入れ直したロベールは、マガリと協力して再出発を誓った。取り入れが終って感謝祭のパーティがやってきた。ロベールに美しい衣裳を贈られたマガリは、喜んで家を出た。ところが嫉妬に狂ったリナのために、彼女は納屋にどじこめられた。マガリは他の男のところに行ってしまったというリナの言葉に、ロべールは失望した。ロベールが淋しくリナと踊っている時、ボロボロの衣裳のマガリが現れた。二人の女は池の畔で激しくつかみあった。翌朝、スーツ・ケースを積んだ車をパリにとばすロべールは、車上から畑で働くマガリを見た。今はロべールのことをあきらめ、悲しみにうちのめされながら、彼女はもう一人で畑に出ていたのだ。彼の姿を見ておどろき、泣きじゃくるマガリを、ロベールは強くたくましい腕の中に抱きしめた。

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映画レビュー

3.0まさしく、この映画!!

2016年4月15日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

小学生の頃、テレビはまだ白黒で、いや、この映画が白黒だったのかな?
一般家庭にカラーテレビが出回るようになったころだと思います。
映画、テレビドラマ、外国ものがとても多い時代でもあり、日本モノよりよく観ていました。
特に楽しみは、姉と布団にくるまって観た週末の深夜放送、数々の洋画でした。

とても、ロマンチックなお話。遡れば初ラブコメだったかもしれません。
金髪(多分)の小柄な働き者のヒロインを応援していました。
恋敵の女性の肉感的なビキニ姿に驚いたものです。
樽から漏れるワイン、わずかな響きで、ヒロインが気づくのですが、主人に相手にされない。
ほんとに大きな樽だから、崩壊してしまうと大損なのよね。この崩壊のシーンもよく覚えています。
そして、ラスト、主人がヒロインへの愛に気が付く。
ヒロインが「私を抱いて」って言うのです。主人が抱き上げて終わったのかな?
で、この映画のタイトル「私を抱いて」のをずっと覚えていたんですね。
半世紀近くたっていると言うのに、私の中には田舎の葡萄畑と、夜のエロチックな海の記憶が未だ新鮮に残っています。
お話的に今観てもあまり古さを感じさせない映画がもしれません。

ああ、是非もう一度観てみたい!
そんな、映画、ドラマいっぱいあります。

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shilkey