カルタゴの女奴隷

劇場公開日:

解説

フランチェスコ・デ・フェオ、マリオ・グェルラ、ニコラ・マンザーリ、フランチェスコ・テルンク、グイド・ブリニョーネの五人が共同で書いた脚本を、その一人、「純愛」のグイド・ブリニョーネが監督したスペクタクル史劇。撮影はアダルベルト・アルベルティーニ、音楽は「ローマの女」のエンツォ・マゼッティ。主演は「テオドラ」のジャンナ・マリア・カナーレ、「島の女」のスペイン男優ホルヘ・ミストラル、新人女優マリサ・アラシーオ、アナ・ルイザ・ペルッフォ。

1957年製作/イタリア
原題または英題:Le Schiave di Cartagine
配給:イタリフィルム=NCC
劇場公開日:1957年7月12日

ストーリー

紀元一二〇年、ローマ帝国領チリチアの首都タルソでは、外国から連去られてきた奴隷たちの競売に広場は沸いていた。折しも通りかかった、この地方の総督の姫ジュリア(ジャンナ・マリア・カナーレ)は、恋人の戦士マルコ(ホルヘ・ミストラル)の勧めで二人の女奴隷を買取った。それはカルタゴの貴族の姉妹、美しいレア(マリサ・アラシーオ)とエステル(アナ・ルイザ・ペルッフォ)であった。が、姿貌を鼻にかけるジュリア姫は二人の奴隷に迫害を加え、マルコの愛がレアに傾くのを見て激しい嫉妬さえ燃やした。一方、執政官のコルネリオは同僚のマテロと共謀、汚職を行っていたが露見を恐れ、マテロを唆かし人望厚い老総督を殺させた。しかもこれをキリスト教徒の陰謀であると云いふらした。総督の死にタルソの市民は怒った。キリスト教徒の捕縛が始り、レア、エステル、エステルの恋人ステファノも捕って重労働を課せられた。やがてマテロが新総督となりマルコを諦めたジュリア姫と婚約した。そして彼女は首都のキリスト教徒全部を死刑にするようマテロに要求した。さすがのマテロも初めは反対したがコルネリオに強制され、処刑をマルコに命じた。しかしマルコは拒絶した。彼も初めは老総督を殺したのはキリスト教徒だと思い、恋人のレアに怒りを向けたが、その信仰と勇気を見るに及んで教徒の無実を信ずるようになっていたのである。マルコの反抗に、腹黒いコルネリオはこの機会を利用、マルコと教徒が結託して謀反を企んでいるとして彼を逮捕した。だがマルコは逃亡に成功、同志を集め洞窟に立てこもった。ジュリア姫はレアを呼出しマルコの隠れ家を白状させようと拷問をかけ両眼を潰した。しかもマルコは密告によって捕えられてきた。処刑の日、レア、エステルなど教徒たちは次々と丘の刑場に連れ出され十字架にくくりつけられた。ジュリア姫、マテロなど高官が見まもるうちに処刑が始まろうとした。と、そのとき、突如マルコを先頭にした騎馬団が疾風のように駈けつけてきた。マルコの同志が、彼を牢から救い出しこの刑場へ急行してきたのである。総督の軍隊との間に、激しい戦闘が展開された。正義の剣を振うマルコたちは次第に敵を蹴ちらし、教徒たちを救い出した。ジュリア姫、総督マテロは必死に逃れたが、マルコの追撃に自らの罪を自らの生命で償う結果となった。平和がよみがえり、マルコは新総督は任命された。レアは眼は見えないが愛の光でマルコを導くだろう。

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