「不器用で粗野な性格が災いして孤独になっていく」道(1954) 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)
不器用で粗野な性格が災いして孤独になっていく
ザンパノはとても不器用な男なのだろう。ジェルソミーナに対する想いも表現できない。粗野な性格が災いしてすぐに暴力に走る。理性を働かして抑制できないので、取り返しのつかない事態を招く。その苛立ちからさらに周囲に当たり散らし、益々孤独になっていく。気が付くと周囲に誰もいない。ラストシーンの海辺での彼の表情は、そんな感情を表していて印象的だった。
疑問なのは、ジェルソミーナはなぜ彼のような粗野な男といつまでも一緒にいたのか。巡業する中で多少なり愛情が湧いたのだろうか。
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