「不思議な世界を観終えて、込み上げてくるのは悲しみ以上の何か。」道(1954) keitaさんの映画レビュー(感想・評価)
不思議な世界を観終えて、込み上げてくるのは悲しみ以上の何か。
観終わったあと何とも不思議な感覚に襲われる。
これこそがフェリーニの世界か。
貧しい旅芸人は何度も何度も同じ芸ばかりを繰り返し成功しそうな影すら見当たら無い。
また、イタリアの街並みも華やかな地は一切登場しない。
フェリーニは、そんなリアリズムで充ちているイタリアに世間知らずで頭の弱い女を登場させる。
そこに不思議な化学反応が起こりこの名作は生まれた。
閉塞的で希望の無い"世界"と天真爛漫で希望に満ちた女が出会い向かった先は悲しみだったが、そこにあるのはただの悲しみだけでは無い。砂浜で泣き崩れるザンパノのように、観終えた私達の心にも悲しみ以上の感情が込み上げてくる。
コメントする