「【怪力の大道芸人のザンパノに売られたジェルソミーナを演じたジュリエッタ・マシーナの喜怒哀楽を表情に出した演技が絶品の作品。男なんてものは女性無しに入れらない事を描いたラストが圧巻である作品でもる。】」道(1954) NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【怪力の大道芸人のザンパノに売られたジェルソミーナを演じたジュリエッタ・マシーナの喜怒哀楽を表情に出した演技が絶品の作品。男なんてものは女性無しに入れらない事を描いたラストが圧巻である作品でもる。】
■粗暴な男ザンパノ(アンソニー・クイン)は、純粋無垢な女ジェルソミーナ(ジュリエッタ・マシーナ)を相棒に旅を続ける大道芸人。
ザンパノからは冷たく扱われながらも、ジェルソミーナは次第に彼を愛するようになってゆく。
だがある時、優しい綱渡りの青年に出会ったことから、ふたりの関係に変化が生じる。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・20数年ぶりに鑑賞したが、細部まで覚えていた事に驚いた作品ある。(滅多にない事である。)
・貧しきジェルソミーナが、ザンパノに売られ”ザンパノが来たよ!”と言う台詞をザンパノに”声が小さい!”と言われ、ピシピシと鞭打たれるシーン。
ー 小柄なジュリエッタ・マシーナの姿が、可哀想だが、何だか可愛い。-
・そして、二人は粗末な馬車の中で結ばれるのであるが(多分・・。)、翌朝ジェルソミーナが嬉し涙なのか、何度もザンパノの隣で涙を拭う姿。
・ザンパノは粗野な男であるが、卑ではない事が判る数シーン。
■ご存じの通り、ジェルソミーナを演じたジュリエッタ・マシーナは、フェリーニの奥さんであった。決して超絶美女では無いが、今作 が世界的な名作になったのはジュリエッタ・マシーナの演技であることは、間違いない。
アンソニー・クインも名優であるが、彼の演技を遥かに超えたジュリエッタ・マシーナの姿は、20年振りに見ても素晴らしいの一言である。
<今作はラストも素晴らしい。
ザンパノが決別したジェルソミーナの死を知り、海岸で彼女を亡くした後悔の念に、斬鬼の想いを晒すシーン。
男にとって、今作を観ると、自分にとって一番大切な女性を本当に大切にしているか、後悔無きように接しているかを深く思った作品である。
学生時代に観た時には、そのような感情は湧きあがらなかったのであるが(当たり前である。)妻子を持つ身になってから今作を観ると、深い感慨を感じた作品である。
故に、映画って素晴らしいと思った作品でもある。>