「名作鑑賞」道(1954) novさんの映画レビュー(感想・評価)
名作鑑賞
フェリーニはゴダールの様に華やかさに欠けていると
感じていて、現代ではなかなか観るのに
積極的になれなかったが、観て良かった。
この映画はカトリックの精神をもって魂の救済を描いているらしいが、そこを気付けるわけもない。
ただ、道端でうずくまる横を
自然に馬が単体で通り過ぎるシーンは
非常にアイロニーに満ちていた。
ストーリーだけをとると
ものすごく単純で
一つの出来事が大きなうねりとしてあるわけだけど
粗野な男と純朴な女性との距離感を
物理的移動とともに見せてくれる分
風景を楽しみながら、飽きずに見れるのが良かった。
このような映画文学のようなモノが
今もヒーロー映画とかとは違った文脈で続いているのが
映画という芸術がまだ生き残れている所以であり
エンタメで良い映画と、芸術でいい映画の2つは
これからも続いてほしい。
日本映画における金がないから、チープな顔面映画は
無くなっても構わない。
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