劇場公開日 1954年7月25日

「命懸け任務のわりに緊迫感が少なく感じる」恐怖の報酬(1952) Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0命懸け任務のわりに緊迫感が少なく感じる

2013年3月3日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

難しい

総合:60点
ストーリー: 65
キャスト: 70
演出: 60
ビジュアル: 55
音楽: 50

 仕事もなく流れ着いた町でたむろしてくだらない不善ばかりをしている希望を失った男たち。その彼らが高額につられて危険な仕事に挑むのだが、仕事にいたるまでの時間が必要以上に長くて、最初の数十分は物語が進まずに退屈する。ここはもっと濃縮して欲しい。
 本筋のほうでは、橋や岩や石油漏れなど、任務の危険や問題を解決する機知など見所はある。だけれども現代の映画を見慣れていると、それほど緊迫感が高いとは思えなかった。危険物を輸送しているため、何かにつけてゆっくり慎重にみんなが動いているからかもしれない。命のやり取りをしている割には、何か全体として時間がゆっくりと進んでのんびりしている感覚がある。ここがこの映画をあまり高く評価出来なかった最大の理由。

 任務に参加した者や参加しなかった者も、それぞれの事情や人間関係が散りばめられている。特にシャルル・ヴァネル演じるジョーは、昔はいろいろやったちょっとは名の知れた男だったらしいが、臆病になっているのが任務の中で明らかになるのが面白い。実はそれは彼の昔の相棒だった石油会社の所長が指摘したところで、歳をとれば人間は本人すらも気が付かないうちに変わるものなのだ。ここが一番楽しめた部分だった。

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Cape God