ベニス協奏曲

劇場公開日:

解説

水の都ヴェニスに名曲に彩られてゆらめくロマンの花。製作はエドアルト・ヘーシュ、監督はドイツのミュージカルを多く手がけているエドゥアルト・フォン・ボルゾディ。脚本はドクター・オタワとエドゥアルト・フォン・ボルゾディの共作。撮影はルドルフ・ザンター、美術はファクラーフ・ヴィッヒ、音楽はハインツ・ノイブラントがそれぞれ担当。出演はアン・スミルナー、ワルター・ライヤー、ヴィリー・ビルゲル、エルウィン・シュトラール、ヨハネス・ボナベントゥーラなど。

1967年製作/ドイツ
原題または英題:Romanze in Venedig
配給:ブエナ ビスタ
劇場公開日:1970年6月27日

ストーリー

ハンガリア国境近くオーストリアのゴルゲンラント。テオドール・フォン・ブルッゲルンの一人娘アンドレア(アン・スミルナー)と若い地主ニコラウス(エルウィン・シュトラール)の結婚式が、今始まろうとしていた。だが式の直前、アンドレアは熱愛するニコラウスが、他の娘と関係をもっていたことを聞き及び、そのまま姿をくらましてしまった。心に痛手を負いながら彼女はヴェニスに旅し、ある素人宿屋に滞在することにした。そこで、若いアメリカのピアニストのステファン(ワルター・ライヤー)を知り、弧独な心は次第に愛に移行していった。そうしたある夜、ふとした手違いで、二人はアンドレアの部屋に閉じ込められ、一夜を共にしてしまった。だが、彼には別居中の妻がいた。その事実を偶然知ったアンドレアは、逃げるようにヴェニスを去った。その時、彼女の体には、ステファンの子が宿っていた。傷心のアンドレアは、やがて父親のもとへ戻り、そこで元気な男の子マイケル(ヨハネス・ボナベントゥーラ)を生んだ。ブルッゲルン氏は、娘を暖かく迎え、孫を誇らしげに可愛がった。マイケルは父親ゆずりの天分を持ち、六歳の年にウィーン少年合唱団に入った。その頃、ザルツブルグ音楽祭で、オーケストラを指揮していたステファンは、独唱するボーイ・ソプラノを探していた。合唱団の先生は、マイケルを適任として、オーディションをすすめたが、アンドレアは、強く反対するのだった。かねてから、彼女がステファンに関する記事の切り抜きをしていたのを知ったブルッゲルン氏は彼女のこのような態度をみてマイケルの父親はステファンにちがいないと確信、オーディションにマイケルをつれて行った。ステファンは即座にマイケルを選んだ。そして、ブルッゲルン氏の言葉にのせられ、アンドレアに会ったステファンは、離婚後、再婚もせずに暖めていた彼女への恋慕を、いきせききったようにあふれさせた。そして、わが子と知ったマイケルを、狂ったように抱きかかえるのだった。音楽祭当日、ステファンの指揮で「ラルゴ」が演奏される会場には、感動の眼でみつめるブルッゲルン氏とアンドレアと独唱をおりたマイケルの姿があった。

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