シシリアン(1969)のレビュー・感想・評価
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コンビ芸
ジャン・ギャバンとアラン・ドロンの共演作。この二人の対比がこの物語の核としてあります。静かでありながらもシチリアへの狂気をはらんだジャン・ギャバンと、まるで狂気を感じさせないけれども危うさだけを持ったアラン・ドロン。この構図ですでに惹き込まれるものがありました。 そして少ないながらも、アクションシーンが意外に良かった印象でした。強奪計画自体もアッと言わせるものでしたしね。そういう意味では何だかよくできた映画という印象でした。 『ゴッドファーザー』好きな私としては、もうちょっとファミリーの結束の強さと怖さを感じられたら言うことなかったかもですね。
最後はかっこいいが、よく考えるとちょっと間抜け
総合:80点
ストーリー: 75
キャスト: 85
演出: 80
ビジュアル: 70
音楽: 60
殺し屋・ギャングのボス・刑事役のスターたちがそれぞれに個性を出し映画を盛り上げた。
ギャバンが飛行機に乗り込むときに機転をきかせて、宝石を護送する刑事(だったかな)の妻を乗らせないようにするのは面白い。セキュリティが厳しい現在では銃を機内に持ち込んだり操縦席に入ったりは相当困難でこんな簡単にハイジャックは出来ないだろうが、それでもハイジャック後の計画は意表をつかれて面白いものだと思った。
マフィアの掟として仲間の妻と関係を持つのはご法度で死をもって償うのが決まり。宝石強奪計画とは違う部分で話が動き、映画の物語に決定的な要素を持つことになる。
しかし息子たちが逮捕された後でも気にもせずに家に戻るギャバンはかなり間抜けだった。映画の結末の場面としてはよかったが、ギャングのボスとしてすごくつまらないミスでありそれで映画が終わるというちょっとくだらないものになった。ギャバンはドロンへの対策で頭がいっぱいで、警察の動きにまで気がまわらなかったか。捕まるのを覚悟で家に帰ったという見方も出来るが、今後の息子の弁護や孫の養育を考えればその線は薄い。
それでも十分楽しめる映画ではある。
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