劇場公開日 1983年9月15日

戦いのあとの風景のレビュー・感想・評価

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4.0アンジェイ・ワイダ監督の描く戦争と恋愛

2023年1月3日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

戦争によって抑圧された青年の姿と恋愛を描いたアンジェイ・ワイダ監督作。 戦争と恋愛を描いていることから『灰とダイヤモンド』を連想するが、本作の描き方は中盤までは安定した素晴らしさだったのに、終盤に至って「劇団風景の混沌とした風景」&「神父の余計な発言シーン」が意味不明な感あり、とても惜しい作品に見えた。 物語は、第二次世界大戦の終わる頃、ドイツのナチス強制収容所に入れられていたポーランド囚人たちがアメリカ軍によって解放される場面から始まる。この冒頭シークエンスは、登場人物たちの姿を淡々と描き続けるカメラ、そしてセリフの無い場面としているあたりが素晴らしい。 そして、ポーランド囚人たちは、アメリカ軍の監視下にあり、戦争は終わったものの不自由な生活が続く。そのポーランド人の中にタデウシュという文学青年もいた。 そこに祖国を捨てた難民たちが連れて来られて、その中にユダヤ系のポーランド娘ニーナもいて、行動的なニーナに誘われてタデウシュは収容所を抜けて散歩に行く。ニーナは「遠い西側に行こう!」とダニエルを誘うのだが、なかなか難しい。 二人は、抜けてきた収容所が閉鎖されたとのことで見に行ってみると、収容所付近は危険な雰囲気。収容所を見に行ったニーナはアメリカ軍兵士に誤って銃で撃たれ……という戦争が終わったのかどうか疑問の風景が見られる。 インテリ青年も「ナチスが米兵に置き換わっただけだ…」などという痛烈な言葉をアメリカ兵に話す場面からも、終戦となってもポーランド人たちが辛い思いを続けていたことが伝わってくる。 本作では「♪英雄ポロネーズ」が流れる場面があり、どうもこの曲を聴くと学生時代に毎週見ていたテレビドラマ「赤い激流」を思い出してしまう。このドラマでは水谷豊が殺人犯として追いかけられるのだが、ピアニストの役で宇津井健から指導されるのがこの曲だった。水谷の恋人役は竹下景子、「赤いシリーズ」ではあるが山口百恵はゲスト出演のみ。 話が逸れたが、このアンジェイ・ワイダ監督作は、それなりに見応えあり、観て良かったと思える映画であった。

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たいちぃ