カサノバ(1976)のレビュー・感想・評価
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理想の女性を追い求めての長い旅路の果てに見た夢は?
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幾つかの乱痴気騒ぎが豪華で下品で、ユーモラス。伸縮自在の鳥の置物が説明的且つ卑猥。そして、最後の方は数名でピアノを奏でてのニーノロータの音楽とともに、カサノバの究極的理想の女性、ダッチワイフの様な人形とダンスをし、ベッドで抱き合う。絵画の様に美しい映像だが、孤独で哀しくも有る。そして、老いぼれて見る幸せ?な夢も、生身の女性でなく、人形娘と踊る自分自身の姿。
意外性の女、か弱い女、力強い女、残酷な女、種々の理想の女性像を追い求めて生きてきたが、所詮、皆束の間で目の前から皆消え失せてしまう。最後に残ったのは人工的だが最高に美しい人形の女との踊るイメージ。そして、これが故郷ベネチアの祭りの際の女神像と映像が重なる。
もしかして、カサノバが抱いた女性はフェリーニが関わった映画作品のイメージなのか?それぞれ皆、一生懸命愛したはずだが、死も見えてきていて賑やかな中に居るが心情的に孤独な自分を駆り立てるのは、産まれ育った町と、自然では無く人工的に創りあげた美しきもの。カサノバの人生の姿に仮託した監督の今の姿・心境の自己開示なのだろうか。
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