「キテレツ」カサノバ(1976) ミカさんの映画レビュー(感想・評価)
キテレツ
フェリーニの芸術的センスが炸裂した様な作品で、どんな監督もマネ出来ない独自の世界観がありました。日本で生まれ育ったらこういうセンスは、理解されにくい感じです。まず、カサノバが全くの色男に描かれておらず、むしろ見た目も中身もキテレツです。色男に描いた方が作品的に観やすく分かりやすいとは思うのですが、観やすくしないのがフェリーニです。
そして回りにいる貴族達の楽しみが、覗き見的で悪趣味です。どっかで見たことがある絵面だなあと思ったら、楳図かずお先生や寺山修司っぽいことに気がつきました。ラストだって、普通の恋愛ものを観る感覚でいると、気持ちが悪いと思うはずです。フェリーニは、やはり玄人向けなのでしょうか?この独特の感性は、さすがフェリーニとしか言えません。
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